労働組合への弾圧は民主主義の破壊
3月10日、大阪市西区民センターで行われた、「労働組合つぶしの大弾圧を許さない3・10集会」に参加してきた。主催者あいさつ、現状報告や被弾圧者からのアピールの後、労働研究家の熊沢誠さん の講演があったのだが、その内容が良かったので報告する。
まず熊沢さんは、今回の弾圧は戦後未曽有の、戦前の「特高」のような弾圧だと批判された。その上で1870寝年代から1900年代にかけて、イギリスにおける労働組合の「承認」をめぐる過程で確立された争議の「刑事免責」「民事免責」に逆行するものであると述べられた。労働組合を「承認する」ということは、労働組合によって起こされた正当な争議による損害については、刑事・民事を問わず免責されるということが核心なのであって、それゆえ憲法28条や労働組合法に謳われているのである。それが侵されるのは、ひとえに日本ではストライキが皆無になっているから…争議による労働損失日数(ストライキをした人数×日数)は、日本では年に役1.5万日(1万人の従業員が1日ストライキをする)だが、イギリスではその11倍、ドイツでは73倍も起こっている。(イギリスやドイツのほうが労働者の人口は少ない)労組の影響力が無くなっていることが問題である。
もしこの弾圧において裁判で負ければ、関西生コン支部たやったストライキは「不当な争議行為」となって、損害賠償が請求されるかもしれない。ストライキを非合法の犯罪とみなす社会が来ると警告された。
なぜ関西生コン支部が弾圧されるのか?それは関生が「まっとうな労働組合」だからだ(関生はこれを誇りに思って良い)…関生は正社員も非正規社員も含まれる「単組」で、産別労働組合である。これが労働組合の世界標準だ。そして独自の産業政策を持っている。川上にセメント産業、川下にゼネコンからの収奪を受けながら、労働条件の向上のため、中小企業の経営を安定させる協同組合運動を進めている…そういう組合だから資本からみるとつぶさないといけない。ゼネコンは裏に隠れているが、きっとお金を出して組合つぶしを支援しているハズだと述べられた。

そしてここから重要なところであるが、民主主義とは決定権、もしくは決定参加権がその神髄である。選挙権や立候補する権利だけでなく、普通の労働者にとっては労働条件の決定に参加することが、「産業民主主義の決定的な意義」であり、そのために「労働三権」がある。「産業民主主義」を大切にしない「狭義の民主主義」だけでは、それは虚妄である。だから「まっとうな労働運動」への弾圧は民主主義の破壊であり、ファシズムへの道であると喝破された。(大切なことだから強調しました)
そして日本の野党や労働団体は、この大切さが本当に分かっているのか?今この会場に700人の(実際は520名)の労働者が集まっているが、狭い仲間の組合員だけである。日本の世論・護憲勢力はダメだ!本来ならば関西生コン支部への弾圧は、国会で問題にすべきことなのだ…と厳しい批判を述べられたのである。
なるほど、自分もそうであるが、産業における民主主義、自分たちの労働条件は、自分たちで決める決定権・民主主義のために、労働三権があるという思想は、忘れられがちである。もう一度書きましょう…労働組合への弾圧は、民主主義の破壊である!
| 固定リンク
「たたかいとかくめい」カテゴリの記事
- 設計変更を許すな!奥間政則さんの学習会(2020.06.29)
- 奥間政則さん学習会のお知らせ(2020.06.26)
- 本日6月24日の市役所前行動(2020.06.24)
- 京都で生活補償を求めるデモでありますっ!(2020.06.22)
- 京都で生活保障を求めるデモがあるよ!(2020.06.20)
「かくめいのための理論」カテゴリの記事
- 設計変更を許すな!奥間政則さんの学習会(2020.06.29)
- けんじと太郎でタヌキを追い出せ!(2020.06.18)
- BLACK LIVES MATTER”よりも”大切なこと(2020.06.14)
- コロナ禍での社会ヘゲモニーを握ろう!(2020.05.15)
- 憲法1条を守れば天皇制はなくなる?(2020.05.05)
コメント