« 祝!?総アクセス100万突破! | トップページ | 2000万円足りない年金問題について(後篇) »

2000万円足りない年金問題について(前篇)

 本日、都内で「年金返せ」デモが行われた…Y!ニュース毎日新聞より
都内で「年金返せ」デモ 報告書・麻生氏受け取り拒否など受け
 夫婦の老後資金に関する金融庁の金融審議会市場ワーキンググループ(WG)報告書を巡り、麻生太郎副総理兼金融担当相が受け取りを拒否したことなどを受け、政府の年金政策に抗議する「年金返せデモ」が16日、東京都内で開かれた。
 デモには主催者発表で約2000人が参加。千代田区の日比谷公園から6グループに分かれて銀座方面へとデモ行進し、「生活できる年金払え」などと気勢を上げた。
 参加した女性(50)は「(政府の姿勢に)とにかく怒りでいっぱい。くらしを守るよう、みんなの声で変えたい」と訴えた。年金受給者の男性(68)は「報告書を受け取らず、無かったことにしようとしている。フェアではなく、許されない」と話した。【山下浩一】
 
 老後に「年金が足りない」から2000万円貯蓄しておくよう…という元ネタの報告書は金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」pdf というもので、要するに「少子高齢化社会なので、民衆にどんな金融商品を売りつけたらエエか?」ということを考察したもの。51ページで内容も特に難しいことを書いているわけではない。(これをロクに読んでいない麻生財務大臣は、よほど文章を読むのが大嫌いなのだろう)で、問題の部分には、こうある…p8~p10にかけて(図もある)
(2)収入・支出の状況
ア 平均的収入・支出
 わが国では、バブル崩壊以降、「失われた 20 年」とも呼ばれる景気停滞の中、賃金も長く伸び悩んできた。年齢層別に見ても、時系列で見ても、高齢の世帯を含む各世代の収入は全体的に低下傾向となっている。公的年金の水準については、今後調整されていくことが見込まれているとともに、税・保険料の負担も年々増加しており、少子高齢化を踏まえると、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれる。
 支出もほぼ収入と連動しており、過去と比較して大きく伸びていない。年齢層別に見ると、30 代半ばから 50 代にかけて、過去と比較して低下が顕著であり、65 歳以上においては、過去と比較してほぼ横ばいの傾向が見られる。
60 代以上の支出を詳しく見てみると、現役期と比べて、2~3割程度減少しており、これは時系列で見ても同様である。
 しかし、収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる。
 で、ここに問題のグラフが来て…p16に
(2)で述べた収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。
 と書かれているのが問題になっている。で、毎月の赤字額5万円の根拠となっている「高齢者無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯」(出典)第21回市場ワーキング・グループ 厚生労働省資料)では、収入が年金収入も含めて209,198円(年金と思しき社会保障給付が19万円ぐらい)、支出が263,718円となっている。なお、一般のサラリーマンと専業主婦の「標準世帯」でもらえる年金額が22万円と言われているので、それよりも若干低めの収入ってわけだが…
 それでも結構あるやん!ってのが、私の感想だ。
 前にも書いたが、私の父母は父親の会社は厚生年金に加入してなかったので、公的年金は一切もらっていない!代わりにバブルの頃にあった保険商品…1度に大金を掛けて振り込むと、一定額を終身でくれるという保険(今、そんなおいしい保険商品はない)に加入し、二人で年額150万円ぐらいで生活していた…月当たり12万5千円である。(実際は年に私や兄が30~40万円補助していた…+40万円だとしても月当たり15万8千円である)ちなみに国民年金だけだと、満額でも一人当たり6万円強ぐらいだそうなので、夫婦二人で12万5千円というのは、国民年金のみもらっているのと大体同じになる。

 父母がどのくらい貯蓄があって、いくら取り崩したのかは分からないが…月に20万もらう、あるいは26万円も支出できるならば…かなり贅沢が出来たのでは?と思うぞ。山海の珍味とまではいかずとも、美味い肉を食って、外食して、年に1回、旅行に行って、夏冬はエアコンをバンバンかけて…いぁや~「平均」って、オソロシイわ❗❗

 実際のところ、父母は特になんの趣味ももたず、旅行にも行かず、外食もしない…大病で医療費がバンバンかかったわけでもないし、介護も必要なかった。(今、母親はちょっと訪問看護師さんに来てもらっているが、それにかかる費用は私が持っている)テレビはBSもつけず、携帯電話も持たずネットもやらず、本も買わず、新聞以外に定期購読するものはナシ…
 そのかわり、持ち家だから住居費はとても安い固定資産税のみ、車もってないから、保険料等の維持費もいらない…というところもあるが…
 
 問題は「健康で文化的な生活」水準のため、どのくらい年金収入が必要か?それは年金で保障されるのか?ってことだろう。
 
 先ほど、国民年金では、満額で6万円ほど…と書いた。これが「生活保護」だと住宅扶助とかも含めれば、もっと出る…実際問題、一人暮らしで賃貸住宅に住んでいて、月に6万円しかもらえなければ、それだけでアウトだ!家賃でほぼ年金がふっとんでしまう。若い人の中には、年金払っても将来「もらえない」「減額される」というのであれば、生活保護のほうがマシだと考えている人もいるのである。

次回は、もう少し詳しく見てみよう。

|

« 祝!?総アクセス100万突破! | トップページ | 2000万円足りない年金問題について(後篇) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

かくめいのための理論」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 祝!?総アクセス100万突破! | トップページ | 2000万円足りない年金問題について(後篇) »