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2000万円足りない年金問題について(後篇)

 さて本日あらたに、足らないのは3000万円では?というお話もでてきた…Y!ニュース毎日新聞より
金融庁「老後最大3000万円必要」独自試算 WGに4月提示
 夫婦の老後資金として公的年金以外に「30年で2000万円が必要」とした金融庁の金融審議会市場ワーキンググループ(WG)の報告書問題で、この報告書に採用された試算とは別に、金融庁が独自に「30年間で1500万~3000万円必要」とする試算を行い、WGに提示していた。麻生太郎副総理兼金融担当相は報告書を「公的年金で老後生活をある程度まかなえるとする政府の政策スタンスと異なる」としたが、金融庁も公的年金を補うのに必要な具体額をはじいていたことになる。
  金融庁の試算は4月12日のWGに「事務局説明資料」として提示。厚生労働省の課長が総務省の家計調査をもとに差額を月5.5万円程度と説明したのと同じ日となる。議事録によると、金融庁担当者が「私どもでどれぐらいの資産形成をしたらいいのだろうと、一つ試算した」と説明した。
 金融庁の試算は夫が65歳で退職後、夫婦2人で月25万円の生活費を軸に30年間支出する前提で行った。
 それによると、支出は総額9500万~1億1000万円で、収入は、厚労省が公表している厚生年金の標準的な年金額(2018年)を根拠に公的年金が月22万1000円として、30年で8000万円。退職金や私的年金(1000万~2000万円)にローン(最大1000万円)を加味してもまかなえない1500万~3000万円を「必要な資産形成額」と記した。(以下略)

 「老後の蓄えに3000万円ぐらい必要だろう」ということは、実は前からサラリーマンの世界では言われており、東洋経済オンラインなんかでも、ファイナンシャルプランナーが出てきて老後の蓄え…そのために毎月いくら貯める必要があるか…ってことを個々のケースで試算するような記事が載っていたりする。もちろん、必要なお金は個々によって違う。
 ただ金融庁の試算でも「夫婦2人で月25万円の生活費」とされているが、なんどもいうけれど私の父母は月12~15万円程度の生活費でやっていた…二人で国民年金満額もらってるのと同じ(ただしこれもなんども書くけれど、私の父母は公的年金をいっさいもらっていない)レベルの生活費でしょ…ということだ。
 ま、金融庁の報告書だ…国民年金12~15万円で(デフレだから)生活できるぞ!なんて書いたら、誰も金融商品を買ってくれない。ある意味、不安を煽って預貯金してもらい、そこからより投機性の高い金融商品に乗り換えてもらいたいのだろう。

 もちろん、老後にどのくらいお金がかかるか?月になんぼで暮らしていけるかということは人それぞれだ。少子高齢化は、晩婚化もその要因の一つであるのだが、その結果年取ってからも子どもの教育費とかにお金がかかる、あるいは住宅ローンが遅くまで残っているなんてこともあるだろう。
 また生活が「夫婦2人」単位で計算されているが、時間が経てばどちらか必ず死ぬ、特に夫が先に死んで、妻が取り残されるケースが多いだろう。そうするとサラリーマン+専業主婦の標準世帯では、年金額は確実に半分より少なくなる(私のところも父親が死んでから、私的年金は母親の分、年50万円程度だけ)一方、二人世帯から一人になったとしても、固定費は半分にならないし、光熱水費も半分になるわけではない…一人だとけっこう金がかかるのだ。だから夫婦2人で二人の年金でやりくりしている時より、片一方が亡くなって一人になった時のほうが金がかかり、より困難が増す…当然、「貯蓄の切り崩し」ということもより切実になってくるのである。

 一方、月12~15万円の国民年金相当額であっても、持ち家出ない場合は確実に足が出る…ここから家賃を3~5万円も引かれれば、確実に足らなくなる。そして現在、将来的に国民年金しかもらえない人の多くが、非正規雇用を転々としている人である。そういった人たちに「持ち家」なんぞ手の届かないものでしかない。また、この人たちは現役時代にも「生活費月25万円」なんてことはない…一人ぐらしで月収20万円以下、手取りで15万円くらい、中には10万円程度という人もいる…「老後のために2000万円も貯めれない」どころか、現状がカツカツなのだ❗

 なんか書いているうちに腹が立ってきたが…年金問題から、貧困の問題が見えてきたようにも思う。「年金デモ」では、老後の生活を保障しろ、払った年金を返せとか言っているわけだが、保障されるべきレベルを具体化しようではないか…少なくとも、夫婦2人で月25万円!ひとりであれば月20万円の消費生活が出来るぐらいの賃金・収入・年金を保障しろ!

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