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してはならない改憲議論

 先日の参議院選挙で自民党は議席を減らし、参議院においても「改憲勢力」は2/3に届かなかった…が、安倍首相は改憲に前のめりな姿勢を崩していない。大負けに負けたわけではないとして、「少なくとも『議論は行うべきである』。これが国民の審判であります」などと自民党のHPに書いている。おいおい、選挙中「改憲」を争点にしたかね?どの自民党候補者が、改憲を真摯に訴えたのか?全くもってわかりません!教えて欲しいわ! 

 で、これに秋波を送るのが、国民民主党、玉木雄一郎代表である。ハフポストより…
国民民主党・玉木雄一郎代表「憲法改正議論を進める」と発言 「私ね、生まれ変わりました」 
 国民民主党の玉木雄一郎代表は7月25日、インターネット放送「文化人放送局」の番組に出演し、憲法改正議論を進める立場を明言した。
 玉木代表は、参院選を振り返り、「反省です。我々モリカケ問題(森友・加計学園問題)、国会でかなりの時間取りましたから、結果として国政の重要課題について、議論する時間が少なくなってしまったこと、それを国民の皆さんに示すことができなかったこと、これは本当に反省しなければいけないと思います。本当にお詫びを申し上げたいと思います」と語った。
 そしてこう、切り出した。
 「私ね、生まれ変わりました」安倍総理、確かに総理の考えとは違いますけど、憲法改正の議論はしっかり進めていきましょう」
 玉木代表は、これまでの国民民主党は「オーソドックスに改革中道路線できた」が、「どっか尖らないといけません」と考えていることを明らかにした。
「本来の我々の姿なんだけど、あんまり遠慮せずにね、これからの日本にとって必要だと思うことは、バシバシ言うことで、憲法の話もね、我々としても憲法の改正議論を進めていきますし、安倍総理にもぶつけますよ。だから安倍総理にも受けとってもらいたいですよ。秋波を送ってくれているのは新聞で見たんですけど」と続けた。
 ここで進行役の生田よしかつさんから「下手するとさ、一本釣りされちゃうよ」と問いかけられると、
「一本釣りされたら意味がないんですよ。細野(豪志)さんみたいになっちゃうんで」と答え、「組織として一つの考えをまとめてね、党と党として、最終的には党首と党首として、話をさせてもらいたいですね」とした。
「私たちは憲法議論しっかりやります。総理の4項目には必ずしも賛成ではありません。ただ憲法議論は国の最高法規ですから、やりましょう」
 時事通信によると、安倍首相は参院選で憲法改正発議に必要な3分の2を改憲勢力が割り込んだことを踏まえ、憲法改正に向けて、国民民主党側に協力を呼び掛けているという。(以下略)

 国民民主党も「野党共闘」に乗っかている以上、この発言は波紋をよび、今火消しに躍起になっている状態らしい…だが党の方針として「憲法論議」をきちんとやりたい…という一つの立場に立ちたいと言うのも理解しよう。しかしだ。
 そもそも安倍政治で、憲法の理念をないがしろにして、安保法制や共謀罪法等の憲法違反の法律の強行採決を繰り返している…安倍も自民党も、憲法が行政や国会議員、裁判所等の「権力をしばるもの」であることを全く理解していない中、安倍による憲法改正、改憲(壊憲)は許さない!と現在やっている。そして今回の選挙で議席を減らしたとはいえ、未だ安倍政治は続いているのである。こうゆう中で、「憲法の議論」「改憲の議論」をするとどうなるか?
 議論の場を設け、整備した…場はつくっても、その議論の中身が尊重されることはない、せいぜい自民党改憲案への少数意見として、刺身のワサビのごとく添えられるだけだ。刺身の中身は変わらず「強行採決」される…だが、野党側が「議論」に加わったとして、それには民主主義的装いが加えられるだけだ。
 要するに今の情勢で「改憲を議論すること」は、そのまま安倍に押し切られることしか意味しないのである。憲法の議論をしたいのであれば、立憲主義に基づかない安倍のような連中が政権の中枢に居座っていることをなんとかしないとダメなのだ。安倍政権を打倒し、安倍に連なる連中をギタギタのぐっちょんぐっちょんに粉砕しない限り、憲法議論、改憲議論などしてはイケナイのである。

 玉木代表も含め、いわゆるリベラル側にもこういった「情勢」を理解してないヤツが沢山いて、平気で独自の憲法案なんかや、憲法議論の必要性を訴えているのは困ったものだ。あんたの理想は、安倍の前では確実に吹っ飛ぶ!ということが、全然頭の中にない「お花畑」なのである。
 リベラル「改憲派」は、安倍打倒をしてゆっくり憲法の議論が出来るまで、自らの改憲案なんかは封印しておくべきなのである。

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