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「反緊縮」でなぜ広まらないか?

 さて、薔薇マークキャンペーンがらみのお話…

 「反緊縮」を掲げ、国債を日銀に引き受けさせた上で、民衆にカネをバラまくぞ!政策を掲げることを推奨する政治運動(私も賛同してますよ)であるが、とりあえず先の参議院選挙では、認定候補50名のうち10名が当選している…しかし、1/5ではねぇ~というのが、正直なところ…二梃候補者は、相変わらず共産党(ケインズ党?)が多いわ。国民民主党がチラホラ、立憲民主党はホント、目立たない。

 で、有権者の投票行動も、どれだけ「薔薇マークキャンペーン」の訴えることが軸になって行われたのか?とうことは、分からない。「新選組」については、候補者10名のうち9名が認定候補者になっているのだが、山本太郎が「薔薇マーク」的なことを確実に訴えていたとしても、投票した人は背後に「松尾匡思想」なんてほとんど知らなかったのではなかろうか?
 このキャンペーンが無意味だとは全く言うつもりもないし、無効だとも言わないが、やはり薔薇マークキャンペーンが掲げる「反緊縮」というキーワードは浸透していないのだろう。

 ではなぜ「反緊縮」が広まらないのか?

 一つには、日本の政治風土に「反~」というのが根付いていない、あるいは忌避される…という話がある。

 3・11で原発の安全神話が吹っ飛び、経済性神話も吹っ飛んだ…多くの人が「原発ヤバいね!」と考えた、行動を起こそうとした…だが、既存の運動は「反原発」を掲げていた、これでは良くない、だから「脱原発」なんだ…で、これが定着した。
 反~という「ネガティブな」表現はイケナイ…ということらしい。

 じゃぁ天皇制に反対するのは「反天皇」じゃなく「脱天皇」とすれば、人が集まるのか?という疑問もある。

 もう一つは「緊縮」といっても、ピンとこない(原発は分かるよね)…日本の20年(それ以上)来のデフレが、「緊縮政策」の結果であると松尾匡やブレィディみかこ氏らが言っても、じゃぁ具体的に「緊縮政策」って政府も学者・評論家も言っていない。せいぜい、「構造改革」「グローバリズム」あるいは「新自由主義政策」と言ってきた。だから「反構造改革」「反グローバリズム(反グロ)」「反新自由主義政策」という言葉は、なんとか受け入れられるものの(それでもある意味「専門家」的な用語である…選挙戦でこんな言葉をポンポン言い出す候補者がいたら、かえって民衆は引くだろう)「反緊縮」の対になる「緊縮」という言葉を、政府や支配階級が使っていない以上、「反緊縮」も言葉として成り立たないのである。

 だから運動の側としては「反緊縮」という便利な言葉を使うより、より民衆に訴える言葉、例えば「民衆のための財政出動」「生きてくための財政出動」(もっと格好エエ言葉があるハズだ)を使ったほうがいい。そうゆう意味では、Bread and Rosesって、いい言葉だよな!

 あっ、そういえば「反」をつかった一番ネガティブな言葉…それは「反革命」だな。

 反革命カク〇〇を、せん滅せよ!?って(^^)

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