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どうなる米朝どうする日本 ~朝鮮半島のいま~(前編)

 4日、戦争あかん!ロックアクションとヨンデネット大阪が主催するどうなる米朝どうする日本 ~朝鮮半島のいま~集会に参加してきた。場所はエル大阪南館ホール。集会は13時半開始である。 

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 主催者あいさつで、ロックアクション共同代表の服部良一氏は、6月30日に急遽、板門店で行われた3回目の米朝会談の意義、意味について述べるとともに、集会企画時に考えていなかったほど日韓関係が悪化していることから、日韓関係についても本集会で扱われる(というか日韓関係が主となる)とのお話。
 続いて司会から、講師の李富栄(イ・ブヨン)さんの紹介…元東亜日報の記者で、東アジア平和会議運営委員長、元ウリ党議長。「憲法9条にノーベル平和賞を!」という運動を韓国議会に呼びかけている方でもある。通訳は李哲(イ・チョル)さん…朝鮮のスパイだとして「死刑判決」を受けたが、2015年に無罪が確定…先日のG20の時に文在寅大統領が大阪の在日韓国人を招いた懇談会に出席し、大統領から直接、謝罪の言葉を述べられたという方である。
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 右が李富栄(イ・ブヨン)さん、左が李哲(イ・チョル)さん…通訳付きなので、イ・ブヨンさんはゆっくりと話を始められた。ノーム・チョムスキーに触れながら核戦争と地球温暖化、そして民主主義の危機について述べた後、本題に入る。
 安倍の日本は韓半島の分断克服と平和に肯定的役割を果たす準備ができているようには見えない。韓国が民主化―南北和解の時代に入り、1991年、朝日新聞の植村記者が従軍慰安婦問題を報道し、92年には宮沢喜一総理、93年には河野洋平官房長官が慰安婦問題について謝罪した。村山富市総理の植民地支配と侵略についての包括的な謝罪も続いた。1998年、金大中大統領が登場すると、金大中―小渕パートナーシップ共同宣言で韓日関係の親善は最高潮に達した。2002年には金正日―小泉平壌宣言が出た。2010年の民主党政権では、菅直人首相が1910年の韓日併合条約は韓国人の意思に反し、植民地支配をしたと認めた。
 しかし2006年と2012年の安倍晋三の執権は日本の歴代の総理と長官たちの宣言、声明を簡単に破棄し、くつがえす強力なものである。この力はどこから来るのか?1910年の韓国併合条約は朝鮮人の要請を日本が受け入れ、併合したものであって日本は謝罪する必要がないという、歴史の捏造を根拠としていること、安倍政権は日本会議を基盤として形成された権力であり、日本会議は日本帝国主義の価値観を回復すること、明治維新の征韓論者を目標としている。また中国の大陸崛起(躍進)に危機を感じつつ、韓半島での分断克服の雰囲気、和解交流、平和統一の努力にも拒否反応を見せている。日本の国民大衆の中でヘイトスピーチ、朝鮮学校に対する差別の現れは、朝鮮人―韓国人に対する人種的優越感として表出されている…終戦以前の価値観に対する断罪がなかったことにもその原因を見出せる。徴用工問題や慰安婦問題への非理性的な対応、半導体の素材部品に関する輸出規制に続き、ホワイトリスト国家からの韓国の除外措置は、安倍政権が直接的、強制的な制裁を加えて韓国政府と国民の抵抗を削り取ろうとする意志に見える。安倍政権の強硬措置は通常的な強行対応ではなく、平和憲法の破棄、「戦争のできる国」日本に移行する過程で韓国を親日国家として手なずけようとする長期的な朝鮮半島政策の転換と解釈される。
 これに対抗するため、まず韓国と日本の民主主義と平和を求める勢力が速やかに連帯する、韓日競艇に関する再協商運動を模索する、韓日競艇のような形式と内容で朝鮮と修好しようという先例が繰り返されてはならないことをはっきりさせる。自由貿易の公正取引を打ち壊す横暴が繰り返されないよう、WTOなどの国際機構で確認させる、2019年国連総会で米国と日本などの強大国が自己の国家利己主義を貫徹させるために自由公正な貿易秩序を崩すのを糾弾する国際的な連帯運動を展開する…などのことが必要だ。
 時間も押してきたので、最後に鳩山由紀夫元総理や和田教授の言葉などを引き、これらの日本の知識人たちは日本社会の多数とは違う方向と展望を、勇気をもって指し示している。7月28日、日本の知識人75名が「韓国は果たして敵なのか」という題目の声明も韓国人たちの視角までくみ上げている…日本の平和憲法9条が日本だけの憲法ではなく、人類の理想を込めた共同の資産である、日本の知識人は過去150余年間の膨張主義的軍事主義の流れに対して、平和主義を代案として提示している…等述べられた。

後編につづく

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