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辺野古ではまともなコンクリートを打つ気がない!

 辺野古の新基地建設現場では、繰り返し生コン車が何十台もいっぺんに入って来る。また先週はずっと天気が悪かった…私はコンクリートを練ったり打ったりする技術でメシを食って来たので、そのへんのことについて書く。
 まず、基本的に雨が降っている時にコンクリートを打設してはいけない。コンクリートを練り混ぜる時は、セメント・水・砂・砂利その他の量をきっちり計量してから練り混ぜる。水の量はコンクリートの施工性の他、強度や耐久性に関わるので重要なファクターである。雨の中でコンクリート打設をすると、その水の量が変化する恐れがあるからだ。よって、原則として雨が降っている時はコンクリートの打設をしない。ただし、屋根がある、シートで被う等の対策をして、打設現場で雨水の進入を防ぐことが出来るのであれば、その限りではない。また少々の雨ならばコンクリート打設をしても問題がなさそうであるが、その目安は「人間が傘をささずに我慢できるかどうか」である。すなわち、傘が必要なぐらいの雨が降るのであれば、コンクリート打設は中止する必要があるのだ。
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 11月18日の朝、生コン車が40台ぐらい来て、シュワブゲート内に入っていった。昼は35台来た。すなわち施工業者はこれだけのコンクリートを打設するにあたり、打設時間中は「傘が必要になる」程の雨は降らないと「予想」したと考えられる。生コン車が沢山来るということは、そんなに激しい雨が降らないという天気予報代わりになるのだが、この日はけっこうな雨が降った…施工業者の「天気予報」は見事に外れたのである。

 さて、生コン車が40台来れば、合計のコンクリートの量はどのくらいになるか?今、普通の生コン車はおおむね4.5㎥のコンクリートを積んでいる(厳密にいうと、コンクリートの質量は2.3t/㎥を目安とするので、2.3×4.5=10.35tとなり、10t積みトラックでは過積載となる…そのため、4.25㎥とか、4㎥しか積んでいない可能性もある)であるから生コン車40台では、4.5×40=180㎥となる。
 一方、コンクリートを打設するスピードは、ポンプ車の台数や作業員の人数等にもよるが時間あたりおおむね60㎥ぐらいが限度である。だから180㎥のコンクリートを全部打設するには単純計算で3時間はかかる。ところがコンクリートには練り始めから打設終了までの時間が定められており、例えばJIS A 5308レディーミクストコンクリート には、9.4運搬b)において
 生産者が練混ぜを開始してから運搬車が荷卸し地点に到着するまでの時間とし、その時間は1.5時間以内とする。ただし、購入者と協議のうえ,運搬時間の限度を変更することができる。
 とあるし、土木学会コンクリート標準示方書【施工編】には
 7.2 練り混ぜから打ち終わりまでの時間
 練り混ぜてから打ち終わるまでの時間は、外気温が25℃以下のときで2時間以内、25℃をこえる時で1.5時間以内を標準とする。これらの時間を越えて打ち込む場合には、あらかじめコンクリートが所要の品質を確保できることを確認した上で、時間の限度を定めなければならない。
 とある。このへんのことは、コンクリートを扱う技術者にとっては基本中の基本だ。
 180㎥ものコンクリートをいっぺんに持ってきても、終わりの方は規定内の時間に打設することはとうてい難しい。上記2つの基準についても規定時間の限度は「協議」や「確認」の上変更できることになっているが、それも無制限ではあるまい。本当はコンクリートを大量に打設する場合、コンクリートはその都度持ってくるのがセオリーであり、一ぺんに大量に持ってくることが邪道なのである。
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 写真は18日昼の搬入時、「第二ゲート」バス停付近に32台目の生コン車を確認したもの。
 実はシュワブの現場には「定置生コンプラント」がつくられていて、抗議行動で生コン車が来られない、時間オーバーになるリスクに対応しているハズなのだが、なぜかその定置プラントは使われず?わざわざ市中から生コンを買って持ってくるということをやっている。定置プラントを使えば「生コン業界」が儲からないからだろうか?
 現場でどんなコンクリートの打設をしているのかは定かでないが、いずれにせよ元請け、大成建設やその下請けのコンクリート打設業者はロクなコンクリートを打っていない、いいコンクリートを打設する技術も能力も気力もないことが伺える。こ奴らは私にとっては打倒対象だぜ!そのことが実地で判明したことも、今回の辺野古現地での収穫でもあった(^^)

 おまけ…前にも書いたが、抗議行動の現場では生コン車のことを「ミキサー車」と呼んでいる。建設業界でない一般の人はそう呼んでいるのだが、生コン車には「ミキシング(練り混ぜ)」する能力は無い。やっているのは「アジテ―ト(攪拌)」である。だから生コン車は正確には「トラックアジテータ」と呼ぶし、業界では「アジテータ(車)」「アジ車」なんて呼び方をする。この呼び方は一般的ではないので、本ブログでは「生コン車」と呼ぶ。

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コメント

へー。ひょっとしたら、「彼ら」には工事が続いていることに価値があって、滑走路だの何のがボロボロで使えなくてもかまわないんですかね。

山本英夫さんにご注進に行こうかなあ。

https://blog.goo.ne.jp/yamahide

投稿: kuroneko | 2019年11月28日 (木) 18時57分

kuroneko様
まさにその通り、彼らは「工事が続いていること」に意味があると思っているのでしょう。嘆かわしいことですが…

投稿: あるみさん | 2019年11月28日 (木) 19時36分

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