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ミサイル戦争の実験場となる南西諸島

 小西誠氏は、南西諸島はミサイル戦争の「実験場」になると、「要塞化する琉球弧」(社会批評社 2019年9月7)で主張している。
_0001_20191229200301  今ある地対艦・地対空ミサイルに加え、新たに開発されるミサイルの導入が目論まれているからだ。また、「12式地対艦ミサイル」についても、現在の射程距離200㎞を、300㎞に伸ばそうとする技術開発を目指しているのだそうな。
 新たに開発されるミサイルは、「高速滑空弾・極高速滑空弾」「スタンド・オフ・ミサイル」「島嶼間巡行ミサイル」が上げられる。
 高速滑空弾は、ロケット推進のマッハ5~10という超高速ミサイルで、一度大気圏外まで上がり、弾道ミサイルと同じような軌道で突入するということから、撃ち落とすのは難しいとされている。(p198)
 マッハ5以上を「極高音速」というらしい。ロシアが昨年開発した弾道ミサイル は、マッハ20という速度で飛翔し、既存のミサイル防衛システムでは太刀打ちできないシロモノなのだそうだが、そこまで行かなくても、それに準ずるミサイル兵器を開発するという。
 スタンド・オフ・ミサイルは、F15戦闘機などに搭載し、敵の空対空ミサイルの射程外(スタンド・オフ)から攻撃する約900キロ前後の舎弟をもつ、アメリカ製のミサイル(JASSM・LASSM)配備が検討されている。(p198、199)
 また「島嶼間巡行ミサイル」については、このように論じている。
 重大なのは、ついに自衛隊が巡行ミサイルの開発に踏み切ったことだ。これを2017年度の防衛省「政策評価書(事前の事業評価)は以下のようにいう。
 「防衛省の施策である島しょ部に対する攻撃への対応等において(中略)統合運用下において遠方からの射撃機会増加のための射程延伸や、対艦誘導弾のステルス化及び高機動化による残存性向上に関する要素技術の研究を行うものである。この際、各種発射母体(車両、艦船、航空機等)で運用できるようにファミリー化を考慮する」
 狡猾な役人文書の中に、この新開発の巡航ミサイルが、地上・艦船・空中発射の巡航ミサイルであることが書き込まれている。上図などが(あるみさん注…対地・対艦巡行ミサイルの運用イメージという図が示されている。日本版トマホークとも書かれているが、この図は小西氏が作成したものだろう)その運用構想だ。
 先島ー南西諸島ミサイル戦場化が、今急速に進行しているのである。(p199、200)

 南西諸島に、日本が開発しようとしている最新式のミサイル兵器が展開し、実戦で使われようとしている。これが「ミサイル戦争の実験場」と言わずして、何と言おうか!?
 南西諸島を、ミサイル戦争の実験場にしてはならない!

 
  

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