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侵略できる軍隊としての自衛隊増強!

 昨日は護衛艦の中東派兵を閣議決定したことを弾劾したが、日本自衛隊はすでに「戦争挑発」「軍事外交」に手を染めている。
_0001_20191227172501  「要塞化する琉球弧(小西誠 社会批評社 2019年9月)にはこのような記述がある。
 発足間もない水陸機動団だが、早くもこの部隊は実戦に使用されつつある。
 前項報道(あるみさん注…本に掲載されている新聞記事、読売新聞2019年5月4日と、朝日新聞2018年9月7日)でも明らかなように、今年4月30日から7月10日まで、同部隊は、空母への改造予定の「いずも」に乗船し、「インド太平洋方面派遣訓練」(海幕広報)に派遣されたのだ。報道にあるように、これは「南シナ海の常時搭乗態勢」の一環である。つまり、米海兵隊第31MEUが「海上遊弋」して、「紛争への緊急対処態勢」をとっていることを模倣した、軍事作戦であるということだ(砲艦外交ないし軍事外交という)
 この水陸機動団の南シナ海への遊弋体制という、恐るべき軍事行動への突入を軽視してはならない。(p149)
 このように、陸自の水陸機動団を、海自の「いずも」が載せて、南中国海!に遊弋しているという…水陸機動団はタテマエ上は「島嶼戦争」用の「日本版海兵隊」ということで、日本の島が侵略・占領された時に奪還するためのモノということになっているのだが、その軍隊がなぜ遠く離れた南中国海まで行くのか!
 「専守防衛」の枠を離れて、中国敵視の軍事行動をやっているわけだ。そして恐ろしいことに、これをちゃんと批判する勢力、マスコミ報道もないというのが現実だ。

 空母に改造される予定の「いずも」についても本書ではいろいろ論じられている。
 次項は、情報公開によって出された文書であるが(あるみさん注…防衛省作成のパワーポイント風資料が掲載されている)、これには「いずも型」護衛艦とSTOVL機の運用について「飛行場が限られた南西海域において(航空)侵攻に対処」するほか、「太平洋側の空域において、拡大する諸外国の航空活動に対処」と明記されている。
 つまり、「いずも型」護衛艦の改造による空母導入の目的は、南西シフト態勢下の、中国への牽制・対抗であると同時に、太平洋の覇権の確保というところにまで拡大されたということだ。(p168)
 この「太平洋の覇権」が、ほっておけばインド洋を越えて、中東に、そして全世界にまで拡大されるのか!?
 ところで、アメリカは既に強襲揚陸艦「ワスプ」や「アメリカ」などにF35Bを搭載し、運用している。強襲揚陸艦にF35Bを搭載する構想は「ライトニング空母」と呼ばれる計画であり、現在の米海軍空母11隻態勢を補完する戦力として発動されているそうだ。であるから、海自「いずも型」護衛艦の空母改造計画とその運用は、米海軍の「ライトニング空母」と共に、米空母打撃群を補完することになると本書では述べられている。一応、掲載されている情報公開の資料には「米空母打撃群とは異なり、長期間・長距離にわたって行動し、艦載機によるパワープロジェクションをするような機能は持ちえない」と書かれているので、「いずも型」改造空母は、米空母を補完する「ライトニング空母」のようなものになるということが伺える。
 いずれにしても、陸自・海自とも米軍とともに、あるいは米軍の思惑を超えて「侵略できる軍隊」としての整備が進められているということなのだ。
 安倍政権の防衛政策については、F35戦闘機100機購入やイージスアショア導入等の、米トランプ政権に貢ぐ「武器の爆買い」が批判されることが多いのだが、このような実質的な自衛隊の増強、「侵略できる軍隊」への変貌を注視し、批判の目を向けなければならない。

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