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憲法で規定・規制しきれない天皇制は廃止あるのみ!

 革命的共産主義者同盟再建協議会の理論機関紙「展望 The Perspective」第24号の特集は、「天皇制廃止のために」である。リンクにもあるように、様々な意欲的論文が掲載されている。
 その中の「憲法と天皇制―改憲阻止・天皇制廃絶のために―」(鳥居強石)論文で興味深い論考があったので、紹介する。第1章 8・8メッセージと天皇制の突出 の中にある「『象徴天皇制」とは何か?」の中から
 ここではリベラルな天皇制論としてもっとも良質な横田耕一『憲法と天皇制』を検討する。本書の内容は次のように要約できる。
① 憲法との関係で、戦前は「国体」=天皇制があって、憲法はそれを記述しただけであったが、戦後は憲法により天皇制が創設される関係で、断絶がある。
② 戦前の天皇は憲法の規定に限定されない権限を持った(輔弼を無視または裁可しないこともあった)、戦後は憲法に規定され、国民の信託に縛られる。その意味で天皇は1人の「公務員」である。
③ 「象徴」とは天皇が国民を統合する意味ではなく、「国民が統合」していることを象徴する。したがって8・8メッセージの解釈は間違っている。「統合としての務め」や「象徴としての役割を果たす」ことはありえない。
④ イギリス君主制は「君臨すれども統治せず」であるが、日本の天皇制は憲法上、「君臨もしなければ、統治もせず」の存在で、元首でも君主でもない。
⑤ 戦後の天皇制の歴史は、支配層による天皇の権威化と政治利用の歴史であった。それによる憲法の自由権の侵害と平等原則の破壊が行われてきた。
 戦後を代表するリベラルな天皇制論である、しかし法文解釈主義というべき限界がまとわりついている。横田耕一の言うあるべき天皇制論の立場に現在の安倍政権は立っていないし、なによりもアキヒトもナルヒトも立っていない。(p114~115)

 横田の天皇制論の是非はともかく(人でない人の世襲による公務員なんてありえんだろう)リベラル・左派共通する憲法理念「憲法は権力を縛るもの」「天皇は憲法順守義務を負う」によれば、天皇(制)は憲法でガチガチに縛られ、規制されている”ハズ”である…にもかかわらず、政治権力(戦後はブルジョワジー、自民党)は天皇を利用しまくり、天皇は天皇であちこち”慰霊””鎮魂”さらには”災害お見舞い”に出かけて行く(これらの天皇の行為は、なんら憲法に規定されていない)さらには「8・8メッセージ」のように、国民に直接呼びかけ(8・8メッセージとは、「生前退位」=「譲位」が出来るよう法律を改めろということ…「政治的メッセージ」そのもの)ありさまだ。これはどうゆうことか?
 思うに「天皇制」は、憲法では規定・規制され得ないより強力な「権威」があるということだ。そして保守・右翼勢力ははそういったものを有難がっているのであり、またそうゆう有り様を日本の「国体」あるいは「美徳」とかなんとか言って、憲法に書き込みたい・明文化したいということなんだろう。
 とすれば、左翼・天皇制反対論者のやる事は、憲法でも規制され得ない「権威」がどこから発生するのかを解き明かすことであり、なおかつそのようなものは害悪であることをはっきり示した上で、天皇制を廃絶することになるわけだ。
 憲法・法律で規制され得ない権威・権力はいらない!である。

 ちなみに横田については「展望」第24号の別論文「天皇制権力と大日本帝国憲法」(破城秀一)の最後の注釈において
 横田耕一『憲法と天皇制』は天皇を憲法内的に定義できる存在者としてとらえるあやまりをおかしている。(中略)同論文では、天皇=先週公務員という横田の主張を、日本国憲法の矛盾ととらえているが、この主張の矛盾は、横田の天皇を憲法内的に定義可能な存在者とみる点に由来していると筆者は考える。(p150)
 とあることも紹介しておく。

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