植村邦彦講演集会(後編)
だが「権力を取らないと世界は変わらない」?のではないか。「急進左派の残存勢力は今ではおおむね、何らかの制度的ないし組織的な対抗手段の外部で活動しており、小規模な行動やローカルな運動が最終的には何らかの充分なマクロ的オルタナティブに結実するに違いないと思い込んでいる。…ところが、こうした左派が権力を取らずして世界を変えようとすることによって、ますます強大化する金融支配的資本家階級は、野放図に世界を支配する権力から誰からも挑戦されることなく維持できるのである。」(デービット・ハーヴェー 大屋定晴他訳『資本主義の終焉―資本の17の矛盾とグローバル経済の未来』作品社 2017年 14頁)「〔ただし〕そのような非価値生産的な諸活動は、資本によって領有されて価値生産の基盤に変えられてしまうか、あるいは、産業予備軍―ますます使い捨て可能となりつつある余剰労働力―のある種の再生産補充部分として機能するか、このいずれかに陥る危険も常に存在している」(デービット・ハーヴェー 大屋定晴他訳『経済的理性の狂気―グローバル経済の行方を(資本論)で読み解く』(作品社 2019年 130頁)とかを紹介した。一定、権力を取って運営していかないと、負けますよ…ということなのだが、どうやって権力を取るのかというイメージは提起されなかった。ここでレジュメは全て終了したので、休憩に入る。質問事項があれば紙に書いて、提出。ここまで聞くと、ホントに暗く、未来がない!年寄りばかりの集会でホント、良かったよ、こりゃぁ~松尾匡みたいに「お金を配って、みんな豊かになりましょう!」とアジるほうが受けるわな…とも思った。
質問はレジュメの細かな内容に関するものの他、資本主義を終わらせる前に「強欲資本主義」を終わらせれば良いのではないかという質問について、資本主義が終焉に向かう過程で「強欲資本主義」になっているのであり、まともな“資本主義”に引き戻すことはもはやできないと分析している。資本主義そのものが「ブラック化」していることこそが、終わりが来ているということだそうな。
ただ資本主義が終わるということは、経済が終わるということではない…「北斗の拳」や「進撃の巨人」の世界がやってくるわけではない…質問の中に「生き残りましょうということか?」というのがあるが、まさにそうで「サバイバル」してゆく中で協働型ビジネスがあるよ!と打ち出すと明るくなる。システムが壊れても、楽しいことがなくなるわけではない。明るく、楽しくサバイバルできたらいいですねと答えられた。
植村さんの講演は一通り終わって、カンパアピールの後、連帯ユニオン関西地区生コン支部から西山さんが連帯のアピール。関西生コン支部への弾圧に対するシンポジウムが別途、阿倍野市民学習センターであったのだが、西山さんは保釈条件で「組合事務所立ち入り」「組合員と会う事」が禁止されているため(何もできないじゃないか!)こちらに来たということ。「ゴリゴリの人たちの中で、大変いい講演だった。新自由主義にどう打ち勝つか。関西生コンに対する弾圧は、社会的協同組合に対する弾圧だ」と訴えられた。
集会のまとめとして、実行委員会の三野英二さんが、「2020年をどう見るか」について、資本主義的な在り方が終わりに来ている。何かのパッケージ(社会主義)を持ってきて、資本主義を終わらせるわけではない。このままでは安倍と一緒に、資本主義と「無理心中」させられる。人がこれまでの枠組みにとらわれず権利を主張すること、これが革命だ!などとまとめられた。展望の見えないような話の中、なぜか元気のでるまとめだった。すごく自信があるのだなぁ~と思った。
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