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「3・1三里塚のいまを語る」集会

 昨日エルおおさかで実施された「3・1三里塚のいまを語る」集会に参加してきた。先週もエルおおさかに行って来たのだが、前の道路は車も人通りも随分少なくなっている。エルおおさかで開かれる集会・催しについても、中止・延期しているものが見受けられる。なんでも新幹線ですらガラガラだそうな…USJもディズニーランドも休園しているので、無理ないか…ホント、経済に悪影響が出てるぞこれ。
 集会は14時に開始、主催者あいさつとして、三里塚関西実行委員会の松原さんから、請求異議審の控訴審や、3・28全国集会に駆けつけてほしいとのこと。続いて連帯のあいさつで、部落解放同盟全国連合会の池本書記長、全日建建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部から、西山直洋さん、若狭の原発を考える会から木原壯林さんがそれぞれあいさつした。
 プログラムでは市東孝雄さんの話と現地映像が先であるが、大口昭彦弁護士の話からはじまる。
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 大口弁護士は、三里塚関係で現在どうゆう裁判が続いているかということを、資料に添付した「市東さんの農地取り上げに反対する会・会報№50」の記事を使って説明…「請求異議審」「耕作権裁判」「第3誘導路裁判」「団結街道裁判」「新やぐら裁判」と、5件の裁判闘争が闘われている…した後、請求異議審・控訴審は3月25日、27日(27日は最終弁論・結審となる)と連続で行われる。裁判の進行が早く、東京高裁は特にそうだが、裁判が非常に形式化しており、裁判所の秩序維持期間としての性格が非常に出てきていると批判された。
 裁判所は市東さんを「人格権共有の主体ではない」という、とんでもないことを言っている。「成田治安法」もそうだが「成田は別ですよ」と類型化・レッテル貼りをやって人権を否定する、司法としてあってはならないことだ。ここに市東さんの人間性を訴え、つきつけていくと訴えた。
 そして他の各裁判についても概要を話された後、JR東日本の組合分裂や関西生コン弾圧にも触れ、「破壊・同化・統合」を進める今の安倍の政策を進める者にとって、関西生コンや動労千葉のような労働組合はあってはならない。農業においては「破壊・同化・統合」路線に体を張って闘っている反対同盟である。「臣民民主主義」ではなく市民になることを、実態をもって対峙していくなど、難しいことを述べられた。
 彼らは準備書面において、あらゆる強制手続きの中、代執行はしないと書いてしまった。収用にしろ、買収にしろ手に入れた「土地所有者」が、退こうとしない「使用者」に対する「代執行」ができないわけだ。裁判でどのように”勝つ”かは別として、市東さんを実践で守り抜く!と訴えられた。
 10分間の休憩をはさんで、次は市東さんのお話。
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 空港に土地を取られることはないんだ…と帰って来て、もう20年になる。この間、無農薬で有機裁判を続けてきた。地主は土地を売ったことを15年も黙っていた!一人は「仮契約だ」といい、もう一人は「売っていない」という。体が続く限り闘いますので、どうかこれからもよろしくお願いしますと述べ、スライドショーを始めた。
 市東さんの畑や周辺の作業場なんかの様子が映し出される…おじいさんが大正年間に「お大師様」を建てて、昔はそこに集って交流とかやっていたことが紹介された。
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 昨年の台風被害なんかも…これはハウスのビニールが飛ばされたりした様子。
 台風被害ばかりでなく、出荷の作業や、産直の「芋ほり」の様子などが紹介される。関実のブログ記事を見ていただいても分かるよう、市東さんたちは実に様々な野菜を育てている。ネギは台風でやられたが、回復したネギはすばらしいネギになった。その他、ゴーヤ、ヤーコン、キャベツなんかも…空港反対ばかりやってるんじゃなく、農業もちゃんとやってますよ!ということを今日はアピールしにきたのだということだ。最後に奪われる農地にどのようなものが存在するか、地図を示して説明された。
 続いて質疑応答にはいる…いきなり質問ではなく「スーパーで買う野菜が美味しくない。三里塚の野菜が美味しい!ありがとうございます」との感謝の言葉。市東さんは、気候変動の影響で1年1年違う、同じ野菜を作っても同じものが出来るとは限らない。うまくいけば「よかったなぁ」となるのがうれしいとのこと。大口弁護士は、市東さんのように目立つかっこうでやっておかないと、農業はみんな潰されると述べた。
 新型コロナウィルスの影響で裁判が無しになることは?という問いについて、裁判所から事前におっしゃってくれれば日程とかについて配慮するとのことだそうだ。
 なぜ空港会社は執拗に市東さんの農地を得ようとするのか?という問いについて、空港敷地内にはほかの人の土地も沢山あり、空港の完成のためではない。「への字型」に曲がった誘導路も、別の誘導路を使っているから問題はない。差し迫った理由はないけれども、”線”が引いてあるからという一般的なことを言うしかないし、市東さんの土地はその”線”からはみ出している。要するに反対運動を続けていることに対する「嫌がらせ」としか考えられないわけだ。
 種子法の廃止について、市東さんの種子や苗の確保についての苦労は?という質問に対し、自種子が取れなくなっている、種子屋さんもF1ばかりで、これを買うしかない…全部が自種子ではないとの返答だった。
 成田空港はこのままでは「完成」しない、ただ国の威信だけでやっている。”コロナ”が続けば飛行機が飛ばなくなる。離発着も目標の30万回ににとどかず、26万回ぐらいだ。「第3滑走路(今の敷地の東側に平行して造る)」構想もあるが、作ってもどうしようもなくなる。最終的には軍事空港にするしかないだろう。第3ターミナルを作ってLCCを誘致しても、まともな航空会社が1社しか入っていない。彼らも意地になっているが、そんなに展望はないと現状についての説明があった。
 「第3滑走路」建設構想に伴う攻撃について聞かれると、空港会社が「説明会」をやっている段階で、誘致している”地元”の幻想はけっこう大きい。しかし一種の「打ち上げ」、祭りみたいなものであるとのこと。その上で、収用委員会は”再建”されているのだが、成田空港問題は取り扱わないということになっている。委員の成り手がいないからだ。だが経済合理性を越えて、軍事の問題を表に出せば、収用委員会に空港問題を取り扱わせることになるだろうと大口弁護士が述べられた。
 最後にまとめとして司会者から、現地で闘うことと裁判闘争を両立させないと、私たちは生き残っていけない。全国集会も年々、人数が減ってきている。コロナウィルス流行の影響による3・29全国集会の実施については、一応やります!結集を!ということであった。

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