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けんじと太郎でタヌキを追い出せ!

 本日、東京都知事選挙が告示され22人が立候補した…今回の選挙は、なんといっても「緑のタヌキ」こと小池都知事を引きずり降ろし、人びとの暮らしのためになる東京都政を取り戻すことが求められている。小池都知事はなにがなんでも東京オリンピックをやるために、コロナ禍でも感染症対策をなおざりにしていたくせに、オリンピック延期が決まるとやたらTVに登場し、あやしい横文字言葉も使いながらいかにもなんかやってる感をアピールしだした。緊急事態宣言解除後も「東京アラート」とかでレインボーブリッジを赤くライトアップしていたのだが(大阪で維新政治がやった通天閣のライトアップの猿マネだ)選挙が近づくと、今も東京では毎日二けたの感染者数が報告されているにもかかわらず、基準も示さず「東京アラート」を解除した…こんなデタラメなヤツに、コロナ禍の社会を任せていてはイケナイ!
 で、皆さんもご存じのとおり、小池都知事に対抗できる有力候補者が二人いる…元日弁連会長の宇都宮けんじ氏と、「新選組」代表で前参議院議員の山本太郎氏である。宇都宮氏は2012年、2014年の都知事選挙で次点を確保し、2016年も立候補しようとしたのだが「野党統一候補」として鳥越俊太郎氏が擁立されたため、出馬を断念させられた!という”筋金入り”の候補者だ。立憲野党が小池氏に対抗できる独自候補者を擁立することが出来ない中、立候補を表明し、立憲民主党・共産党・社民党が支援している。国民民主党は「自主投票」を決め込んでいるが、実質的に「立憲野党」の統一候補的な位置づけとなっている。そこに”殴り込み”(よかれあしかれこういった言い方がふさわしいだろう)をかけて「新選組」から山本氏が立候補したというわけだ。
 二人の政治姿勢や政策は似ている…とされているので、”公約”を見てみることにする。宇都宮けんじの政策(速報版)には、前書きと6項目にわけ、細かく中身が書かれている。中味はいわゆる「革新」「リベラル」が掲げるべき総花政策だ…今、コロナ禍で困っている人のみならず、あらゆる階層の人に応じている。またカジノ反対や、脱原発、反被曝というエネルギー政策や、安倍政権の暴走ストップ、反戦平和、米軍基地問題、反歴史修正(小池都知事のアキレス腱)も盛り込まれている。惜しむらくはこの中身いっぱいの公約、普段政治に興味のない人がどこまで読んでくれるのか?という疑問も出てくる。「総合政策」にいきなり「新自由主義」と書いちゃってるところもどうだろう?
 これに対して山本氏の東京都8つの緊急政策には、コロナ禍で当面、急いでやらなければいけない政策がボンボンボンと大雑把に「分かりやすく」書かれているだけだ。ただインパクトは山本氏のほうが大きく、いきなり「東京オリンピック・パラリンピック中止」が掲げられているじゃないか!さすがに尖っているな。大きな柱は「総額15兆円で、あなたのコロナ損失を徹底的に底上げ」とあり、コロナ禍で矛盾が集中した”弱者”に思いっきり特化した政策となっている。財源は明らかにされていないが、地方債を発行することを考えているらしい(どこまでだったら東京都が「債券」を発行できるかという金額を精査するため、出馬宣言がギリギリになったという話もある)。「MMT」理論を、通貨発行権を持たない地方自治体がどこまで適用できるのか?という実験的な公約ともいえる。対して宇都宮氏には「支払能力に応じた所得税(累進制強化)により、国の財政再建を求めます。」(これはこれで「反消費税」として当然のことだ)という文言もあって、財政に関する考え方は根本的に違う。東京オリンピックは感染症対策の専門家の意見を聞いて開催が困難であると判断した場合は、中止をIOCに働きかける、また招致における税の使われ方を検証するという、まあまっとうなことが書かれている。
 総じて宇都宮氏は広く深く、かつある程度いろんなことを考えている「インテリ」向けの公約、山本氏は本当に今、コロナ禍で困ってる人、絶望している人に向けた公約であると言えよう。前者は後者を「包摂」するハズなのであるが、前者が後者を捕えることはムズカシイ…そう考えて(いろいろな思惑もあるにせよ)山本氏はあえて今回、都知事選挙に立候補したと考えていいだろう。
 この宇都宮氏公約が、必ずしも必要な人に届かない問題は、そのまま宇都宮陣営、しいてはリベラル・左派全体の問題であるとも言える。私は宇都宮陣営の様子はまったく知らないのでどうのこうの言える立場ではないのだが、あえて言えば「真面目な公約を真面目に掲げていればいずれは当選する」というドグマに凝り固まっているのではないだろうか?立派な公約をどう届けるか、戦略も戦術も考えていない…だから山本太郎につけこまれる!
 巷では「新選組」山本氏が独自に出るのではなく、宇都宮氏を応援すれば、支持が広がるのに…と考えている人も多数いるだろうが、彼は人が考えた「立派な公約」をいかに広めるか?という「下請け」仕事をするような人ではない。自分が考えた「コロナ禍で苦しむ人を救う公約」だからこそ、街頭で、YouTubeで伝わるように広めることが出来るのだ…彼に宇都宮氏の応援を期待することは、最初から無理だったかも知れない。
 一方山本氏の公約は「東京オリンピック中止」を掲げて尖っているものの、特に原発問題や被爆問題なんかが完全にスルーされているのを見ると、この人が原発事故後に政治に目覚め、動き回って来たのは何だったのだろう?もちろん私も「経済問題」に特化した山本氏の主張を好意的に紹介もしてきたわけだが、ここまで行くと「少しは初心に戻れよ!」とも思う。
 今になって反小池票が割れて云々と言っても仕方がない…宇都宮氏にはこれまでの支持者層をがっちりつかんでもらうとともに、山本氏には無党派層・無関心層に切り込むとともに、コロナ禍で小池都知事を見限った保守層(これが下手すると維新とかに行く)の支持を取り付けるべく、選挙を盛り上げてもらいたい。そして「緑のタヌキ」小池都知事を追い出すぐらいの勢いを見せつけようではないか!

おまけ…東京都民の皆様へ「維新」なんか行政のトップに据えると、コロナ第2派の流行時にカッパを集め出すことになるから止めましょう!

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