経済・政治・国際

さらなる海外派兵を進める自衛隊弾劾!

 自衛隊がさらなる海外派兵を進めていることが報道されている。Y!ニュースより、まずは時事通信
陸自、多国籍軍へ派遣=初の「国際連携活動」―政府検討
 政府がエジプトとイスラエルの国境地帯での平和維持を監視する「シナイ半島多国籍軍・監視団(MFO)」に陸上自衛隊の派遣を検討していることが17日、分かった。
 安全保障関連法の施行で可能となった「国際連携平和安全活動」を初適用し、国連が統括しない多国籍軍に派遣する形だ。現地の安全が確認されれば、陸自隊員を司令部要員として派遣する。
 MFOは1979年にエジプトとイスラエルが平和条約を結んだのを受け、82年から展開。米国を中心にコロンビア、フィジーなど12カ国、約1200人の軍人が参加している。日本政府は88年以降、財政支援を行っている。
 国際連携平和安全活動は、安保法に含まれた改正国連平和維持活動(PKO)協力法に規定が新設された。国連が統括していなくても国際機関の要請があれば、人道復興支援や安全確保などの活動への自衛隊参加が可能。紛争当事者間の停戦合意などPKO参加5原則が準用される。MFO参加によって、自衛隊の活動範囲がさらに広がる。 


 記事中にもあるように、2015年の安保関連法で新設された規定による、海外派兵の拡大である。MFOに対してこれまで財政支援をしてきた、あるいは「国連PKO」に近いものだからエエんだと見過ごすようではイケナイ…これまで「国連」の枠組みという歯止めがあったのを、とっ外した形になるからだ。ちょっとずつ、ちょっとずつ、海外派兵の枠組みが外され、のっぴきならないところに行きつくかもしれない。自衛隊の多国籍軍への合流を阻止しようsign03
 
続いて、海自の話題…産経新聞より
海自、南シナ海で潜水艦訓練異例の公表、中国を牽制
 防衛省は17日、海上自衛隊の潜水艦を南シナ海に派遣し、護衛艦部隊とともに対潜水艦を想定した訓練を13日に実施したと発表した。実任務に就く潜水艦の南シナ海での訓練が公表されたのは初めて。同海域で一方的な軍事拠点化を強行する中国を牽制(けんせい)する狙いがある。
 派遣したのは海自呉基地(広島県)を母港とする潜水艦「くろしお」。13日までに東南アジア周辺海域で長期訓練中の護衛艦「かが」「いなづま」「すずつき」の3隻と合流し、護衛艦や艦載ヘリコプターがソナーで潜水艦を探索する一方、潜水艦は探知されないように護衛艦に接近する実戦的な訓練を行った。訓練海域はフィリピン西側の公海上で、中国が南シナ海に引いた独自の境界線「九段線」の内側という。
 くろしおは17日、南シナ海に面するベトナム中部の軍事要衝カムラン湾の国際港に寄港した。海自潜水艦の入港は初めてで、南シナ海で中国との領有権問題を抱えるベトナムとの連携を示す狙いもありそうだ。
 海自が秘匿性の高い潜水艦の行動を公表するのは異例。あえて対外的に明らかにすることで、日本の存在感と運用能力の高さを示し、南シナ海での権益を主張する中国を強く牽制したい考えだ。
 安倍晋三首相は10月下旬に訪中を予定しており、日中関係は改善しつつある。しかし、政府は法の支配を重視する立場から覇権主義的な行動には厳しい姿勢で臨む方針で、自衛隊幹部は「南シナ海は日本にとっても重要な海上交通路だ。今後も日本なりの方法で関与していく」と語る。
 南シナ海では、中国がスプラトリー(中国名・南沙)諸島の人工島に滑走路やレーダーを建設したほか、パラセル(同・西沙)諸島に地対艦ミサイルを配備し、軍事拠点化を進めている。これに対し米海軍は人工島から12カイリ(約22キロ)内の海域を通過する「航行の自由」作戦を断続的に実行。米空軍もB52H戦略爆撃機を南シナ海上空で飛行させ、中国に圧力をかけている。
 首相は17日夜のテレビ朝日番組で、海自潜水艦の南シナ海での訓練について「実は15年前から行っている。昨年も一昨年も行っている」と明らかにした。「自衛隊の練度を向上させるものであり、特定の国を想定したものではない」とも述べた。

 こちらは15年も前から南中国海で潜水艦訓練を行っていたというもの。公表は報道にもあるよう、対中国への牽制というのが明らかである。だが注意しないとイケナイのが、15年前(2003年)は、まだ中国は同海域での人工島建設に着手しておらず、訓練は「日本のシーレーンを守る」という名目で行われていたものだ。
 「シーレーン防衛」の名の下、遠く離れた南中国海、ベトナムやフィリンピンにも近いところで、隠密の軍事訓練を行っていたというのである。専守防衛もへってくれもない、帝国主義海軍としての海上自衛隊を弾劾せよsign03

 自民党総裁選挙で3選を果たし、安倍晋三が「自衛隊を憲法に明記する」など、改憲を推し進めようとしている。9条1項、2項をそのままにしても、後にできた条文が前条文を抑え、公式に日本は「自衛隊」という軍隊を堂々と持つことになる。また自衛隊が内閣、国会(衆議院・参議院)、会計検査院とともに、憲法で規定された組織となることから、自衛隊が「聖域化」し、安保法制で集団的自衛権も認められた中、ドンドン海外に派兵されたり、日本からウンと離れた所で「敵国」(日帝・米帝を問わない)への挑発行為を繰り返したりということへの歯止めも失うだろう。

 さらなる海外派兵を企てる自衛隊・防衛相を弾劾するとともに、安倍改憲を許さない闘いを構築してゆこうvirgo

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リーマン・ショックから10年

 9月15日は、リーマン・ショックが起こった日である。この日から世界は恐慌過程に入り、あらゆる産業が縮小…日本でも派遣切り、雇い止め、リストラの嵐が吹きすさんだ。
 このブログを始めた当日、突然福田首相が政権を投げ出し、麻生政権が誕生していた。当時の自民党政権は完全に民衆から指示を失っており、解散・総選挙は時間の問題とされていた。麻生政権は「選挙管理内閣」と呼ばれ、総選挙までの「つなぎ」と考えられていたのだが、世界恐慌に突入することによってなりふり構わぬ「景気対策」を行わなければならなくなり、1年程度「延命」することになる。

 本ブログでは9月17日ぐらいに
とりあえず世界金融危機が来た〜と叫んでおくという題で、リーマン・ショックについて取り上げ、こんなことを書いている。

 北京オリンピック後、中国経済が失速するのでは…と恐れられていたが、とりあえずは、昨年来のサブプライム・ローンこげつき問題が爆発し、米国金融を破綻させたのが先に表面化したわけだ。
 サブプライム問題は、様々な人が取り上げているし、前進・島崎論文なんかのほうが詳しいのだろうが、「過剰な資本」が行き場を求めてあちこちに集中して投資(実は投機)されるのだが、その資本は実体経済として何も富を生産していないので、破綻する…とゆうことの繰り返しを続けている…これが繰り返される「金融危機」とゆうものだ。ここらへんまでは左翼なら誰でも書くだろう。
 そして、「金融危機」が起こると、実体経済が回らなくなり、企業の倒産、労働者へのリストラ・賃下げが行なわれる。資本主義社会が労働者を生かしておくことができなくなるので、革共同中央派の人たちは、これを革命的情勢と呼んでいる。しかし、おさえておかなければならないのは、資本主義のシステムでは「金融危機」によって、生産がストップしたりするのだが、もともと投機にまわっている資本なんぞ、それが無くても生産ができる…実はここにも核心があるのだ…から、労働者が生産を維持し、コントロールすることが出来れば、世の中は回るとゆうことだ。
 要するに、資本なんぞなくても、人間に必要な生産はできる、とゆう社会を作るのが、プロレタリア社会主義革命であるわけなんだな。

 そう「革命的情勢」がやってきたわけですね(^^)/…ちゃんと「金融危機」とは何ぞや、「過剰な資本」が「投機」に流れて「破綻」しているということ。そうした「投機」にまわる資本はもともと必要がない、いらないものなのだから、それを排除した上で労働者が生産を自ら行うこと…これが資本主義を打倒し、共産主義社会に向かう革命なんだということを書いている。

 でもって、当時の9月末のブログ記事は
マルクスたんは、やっぱり正しい!のだ という記事を書いている。
 ここで注意しなければならないことは、金融危機が「想像を絶するフィクション」を無くすことが、もはや現在の資本主義社会では出来ないとゆうことゆうことだ。金融資本・・・マルクスをお勉強すると、「利子産み資本」なんて呼ばれ方をする。これは、労働者から搾り取った剰余価値の上前を、利子としていただくために、資本家(実際に労働者を使って、生産を行なうので、産業資本家と呼ぼう)に貸し出される資本である。マルクスの時代は、主に銀行がそれを担っていたわけであるが、帝国主義時代になると、「株式会社」とゆうものが発達し、株を発行し、しぼり取った剰余価値を「配当」することで、様々な人から資本を集めることが可能になった。ところが、なんでも商品にしてしまう資本主義の世の中だから、株も市場で売買される。株価とは、その株からどれだけ「配当」が得られるか、とゆう期待値によって値段が付く。もちろん、その「配当」の原資は、労働者から搾取された、もっと本質的に言うと、労働者が生産した価値・富から成り立つ。
 株券や債権といった比較的分りやすいものから、複雑な金融商品まで、ようするに労働者が将来生産するであろう、価値から、金融商品の価格や配当額が出てくる。ところが、腐敗した帝国主義は、これらが過剰になって、やっている者でもどこから「将来的な価値」が出てくるのか分らないようになってしまった。かくして、本当に生み出されている富や価値とは無縁の、かつそれを上回る巨額のマネーが市場を闊歩するようになったのだ。
 で、実際の富や価値がどれだけあるか分れば、破綻する。上回り方が大きければ大きいほど、破綻も大きい。困ったことに、本来の生産現場ではなんの意味もないハズの「巨額のマネー」は、資本主義社会において様々に生産現場を規制する。株価が大幅に下落することで、支払われるハズのカネが焦げ付き、倒産、労働者は路頭に迷う・・・とゆうことになるのだ。

 過剰な資本が金融資本となって、実際の生産から乖離し「本当に生み出されている冨や価値とは無縁」になった、すなわち「架空性」を持ちながら、なおかつより利潤を得ようと動くことが、実態経済を破壊する…と述べているわけだ。

 自分で書くのもなんだが、けっこう的を得た解説をしていたのだなぁ~と思う。

 さて、あれから10年…一応、リーマンショックの大傷から世界は「立ち直った」かのように見えるが、資本主義社会の矛盾、過剰資本の問題は一切解決していない。
 1929年の「世界恐慌」は、世界的な規模での帝国主義間戦争で多くの生産諸力をぶっ壊すということを通し「解鉄」したのだが、2008年の恐慌はそうゆう形をとっていない。もちろん、中東やロシア・ウクライナにおいて戦争は起こり、あるいは継続しているが、それで「過剰資本」が解決したわけではない。とりあえず「発展途上国」における成長を「取り込んで」過剰資本を消化しているというのが実情だろう。
 
 一方で「革命」を呼びかける「党」は、この10年でヘナチョコに「変質」したsign02だが、資本主義の矛盾が解決していない以上、マルクス主義的な「革命」路線ってのは、いつでも必要になるし、革命のやり方もレーニンや毛沢東、カストロのそれとはバージョンを変えるなどしながら、研ぎ澄まされていかなければならない。

 そうゆうことを考えながら迎えた、リーマンショック10年である。

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新・日本の階級社会(その5とまとめ)

 いよいよ「新・日本の階級社会」の長いレビューの終章である…

 格差が広がり、階級が固定化することは大きな弊害が伴う。生存権を保障されず、家族を形成する機会すら得ることができない人々が多数存在することは倫理的に看過できることではない。格差が大きい社会ほど、平均寿命が短くなる傾向があり、税を払うことのできない人が増大すると同時に社会保障支出が増大する。また、格差の固定化とは、貧困層の子どもが教育を受ける機会が奪われることであり、社会的損失である。
_0001  筆者は階級を無くすことは不可能かもしれないが、階級間の格差が小さなものになり、自分の所属階級を自由に選ぶ可能性が広がれば「無階級社会」とはいえないが「非階級社会」を作ることが可能だろうと説く。

 格差の縮小のためにはさしあたって
(1)賃金格差の縮小…均等待遇の実現・最低賃金の引上げ・労働時間短縮とワークシェアリング
(2)所得の再分配…累進課税の強化・資産税の導入・生活保護制度の実効性の確保・ベーシックインカムの導入
(3)所得格差を生む原因の解消…相続税率の引き上げ・教育機会の平等の確保 これらの政策が候補として上げられる。このような政策を実行してゆくにはどうすれば良いか?
 格差拡大を認識している人ほど所得再配分を支持する傾向が高く、自己責任論の立場に立つ人ほど所得再配分を支持しない。新中間階級は強固に、資本家階級と正規労働者はやや控えめに、所得再配分に否定的な傾向が強い。一方、パート主婦、専業主婦、旧中間階級、無職の人々、アンダークラスの人々は所得再配分を支持する傾向がある。このように所得再分配に対する合意形成への有効な道筋は、階級・グループによって異なる。 そこですべての人々、とりわけパート主婦や専業主婦たちの間に、格差が拡大し貧困層が増大していることは紛れもない事実であり、これが多くの弊害をもたらしている点についての共通認識を形成すること、また所得再分配に合意しにくい新中間階級と正規労働者に向けて、自己責任論はまやかしであり、間違っていると説得することが必要になってくるのだそうな。
 現在の調査では所得再分配に否定的な新中間階級も、かつては政治意識が高く、格差の現状に批判的で、所得再配分などの格差是正政策を支持する傾向がある程度まで高かった。また平和運動や反公害運動、最近では反原発運動や安保法制反対運動でも中心的な役割を担ってきたのは高学歴な新中間階級であった。だから現在の新中間階級に期待できる部分がないわけではない。格差拡大を認め、自己責任論を否認し、所得再分配を支持する傾向が強い「リベラル派」と分類されるべき人たちが、新中間階級の中で46.8%ぐらいは居る。もし格差社会の克服を一致点とする政党や政治勢力の連合体が形成されるなら、その支持基盤となる階級・グループはどこか?アンダークラス、パート主婦、専業主婦、旧中間階級、そして新中間階級と正規労働者のなかのリベラル派である。一見すると多様で雑多な人々を、格差社会の克服という一点で結集する政治勢力こそが求められるのである…と橋本氏は結論づけている。
 すなわち現代に求められる政治勢力は、資本家階級のイデオロギーや利害に立脚した自民党やその亜流の保守政党ではなく、他の階級の利害に立ち、階級格差を縮小していく(それは軍備重視を止め、多様性も認めるような)政策をとる「新しい政党(政治勢力)」なのである。
 ぶっちゃけた話、「維新」や「国民民主党」のような「保守」を標榜し、自民党との違いが分からないような政党はいらないsign03ということだ。また、それに答えられるのは誰か?何処か?ということが問われているのだ。virgo

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新・日本の階級社会(その4)

 格差を縮小し、階級差を縮めるためにはどうすればよいか?まずその前に、格差拡大について人々がどのように認識しているのか、見てみよう。
 その前に「右傾化」についてちょっと見てみると…「若者が右傾化した」とは言われるのだが、自民党支持率は、2005年まですべての年齢層で大きく低下しているものの、2015年では40代は横ばい、30代以下ではわずかに上昇している…相対的にみれば若者の保守化は事実であるが、「自分の住む地域に外国人が増えて欲しくない」「中国人・韓国人は日本を悪く言いすぎる」「日本国憲法を改正して、軍隊を持つことができるようにしたほうがいい」「沖縄に米軍基地が集中していても仕方がない」の4つの設問…前者2問が「排外主義」傾向を、後者2問が「軍備重視」傾向を示す…を用意し、それぞれそう思うか、そう思わないか、どちらとも言えないかを問うてみると、「排外主義」に関しては、むしろ高い年齢層で支持する傾向が高く、とくに下層の若者で「排外主義」「軍備重視」の傾向が高いとは認められない。排外主義的な傾向がもっとも弱いのは、パート主婦である。
 次に「日本では以前と比べ、貧困層が増えている」「いまの日本では収入の格差が大きすぎる」「貧困になったのは努力しなかったからだ」「努力しさえすれば、誰でも豊かになることができる」…前2問は格差に対する認識を、後ろ2問は自己責任に対する認識を示す…を問うと、多くの階級では約三分の2の人々が、アンダークラスでは約8割が、貧困層は増大しているとみなすのに対し、資本家階級は辛うじて半数の人々がそう考えるに過ぎない。新中間階級は、格差が拡大して貧困層が増えている事実は認めるが、格差が大きすぎるという価値観とは距離を置いている。自己責任論は資本家階級でその傾向が強いが、各階級間で大きな差にはなっておらず、アンダークラスにもある程度まで浸透している。パート主婦は自己責任論を強く否定している。_0001

 されに「政府は豊かな人からの税金を増やしてでも、恵まれない人への福祉を充実させるべきだ」「理由はともかく生活に困っている人がいたら、国が面倒をみるべきだ」という、所得再分配政策に対する意見を問うと、アンダークラスが所得再配分を支持する度合いが強く、資本家階級は低い。また資本家階級、新中間階級と正規労働者は、所得再配分への支持は同程度である。なお、政党支持別にみてみると、自民党支持者は格差拡大を容認し、所得再分配に消極的である。

 ここで、格差に対する認識と「排外主義」「軍事重視」の傾向をクロス分析してみると、自民党支持者は排外主義的な傾向が強く、軍備重視の傾向も他を大きく引き離して強い。公明党支持者は排外主義の傾向が特に弱く、民進党(調査当時)支持者は軍備重視の傾向が特に弱かった。また、アンダークラスでは、所得再分配を支持する人ほど排外主義的傾向が強いということも分かった。
 政治的立場としては、
 格差是正―平和主義―多文化主義 …左派
 格差容認―軍備重視―排外主義  …右派
 と分けられそうだが、こうした構図はかなり崩壊しているように思われる。
 平等への要求と平和への要求は、新中間階級、パート主婦、旧中間階級では結びついている。平等への要求と多文化主義は、資本家階級と新中間階級で強く結びついている。資本家階級の多くは格差を容認し、排外主義的である。ところがアンダークラスでは、平等への要求が排外主義と強く結びついている。追い詰められたアンダークラスの内部に、ファシズム(ポピュリズム)の基盤が芽生え始めているとも言え、「在日外国人に生活保護はいらない!」という意見や、外国人労働者を排斥する動きにつながると危惧されるのだ。(続く)

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新・日本の階級社会(その3)

 先ほどの記事中「父親が資本家階級である人が、資本家階級では28.5%存在する。」と書いた…階級は「固定化」しているのだろうか?
 父親の所属階級からみた本人の大学進学率を調べると、資本家階級と新中間階級の子どもは大学に進学しやすく、労働者階級と旧中間階級の子どもは進学しにくいという事は分かる。
 各階級の世代間移動…父親の階級と本人の階級がどう変わっていくか?ということを調べると、資本家階級出身は資本家階級になりやすく、移動も新中間階級が多い傾向がある、新中間階級は新中間階級になりやすい、労働者階級は資本家階級や旧中間階級への移動は少ない、旧中間階級にとどまる人は少ない(そもそも旧中間階級自体が減少している)ということが分かる。
 ここで年代ごとに、各階級の世代間移動について「非移動率」(父親と同じ階級に属している人の比率)、「世襲率」(ある階級の出身者のうち、出身階級と同じ階級に所属している人の比率)そして「オッズ比」(「階級Aの出身者は、それ以外の人に比べてどれくらい階級Aになりやすいか」世襲の起こりやすさの指標、差がない場合が1、世襲的な傾向が強まるほど数値が大きくなる)の変化を見てみる。
 世襲率は階級によって違っている。旧中間階級は急速に低下し、資本家階級と労働者階級は、近年になって世代的な継承性を強めた。新中間階級は複雑な動きをみせている。
_0001  旧中間階級出身者は、相対的に旧中間階級になりやすく、資本家階級と労働者階級の傾向は似ている。どの階級も近年は世代的な継承性を強めて固定化しているのに対し、新中間階級は継承性を弱めている。資本家階級出身者がますます資本家階級になりやすくなった反面、被雇用者の父親をもつ人々が参入できなくなった 資本家階級は労働者階級や旧中間階級への移動が起こりにくくなった。労働者階級出身者が労働者階級に所属する傾向を強め、旧中間階級が労働者階級になりにくくなった 経験を積んでから独立し旧中間階級、あるいは資本家階級になる可能性が閉ざされてきている。
 資本家階級の固定化は進んでいるが、単純に「家業を継ぐ」などという形で世襲されているわけではない。資本家階級出身者でも、初職は労働者階級であるという人はけっこういる。大半は親の会社と別の会社やオフィスで経験を積んでから、経営者になっているということだ。
 一方で、新中間階級出身者が新中間階級になりにくくなった。これは「就職氷河期」の影響も大きい。かつてであれば、大卒者の多くは新中間階級になることができたが、初職時点でアンダークラスとなった若者が新中間階級に移動することは難しく、就職氷河期は新中間階級出身の若者たちに、より深刻な影響を及ぼしたといえる。もっとも新中間階級への「なりにくさ」は、就職氷河期の一時的な現象かは分からず、新中間階級も「固定化」するか、あるいは縮小してゆくのかは不明なところがある。

 以上の調査・考察は男性についてのもので、女性の「階級間移動」は男性のそれとはかなり異なる。これは男性と女性で階級構成が異なっているからだ。資本家階級と旧中間階級は男性が多く、男性事務職を新中間階級としているので、この階級も男性が多い。よって女性の階級構成は父親と大きく異なるので、女性のほうが世代間移動が多くなる。また専業主婦だったりパート主婦だったりするケースが多いので、本人の階級所属がなかったり、階級所属があったとしても、生活水準や意識にあまり影響しない。少なくとも資本家階級以外では、女性の階級所属は父親の階級所属とあまり関係がない。また女性がどの階級の夫をもつかということは、父親の所属階級と弱い関係しかもたないことは分かる。

 女性は自分の所属階級とともに、あるいはそれ以上に配偶者の階級所属の影響をうける。女性内部の格差は、配偶者の階級によって、配偶者のいないことによっても影響される。そこで本書は一章を設けて(第五章 女たちの階級社会)、配偶者との組み合わせで女性の階級を分類、分析している。本人を5つの階級、プラスパート主婦(非正規労働者で配偶者あり)と無職の7つ、配偶者が所属する5階級+配偶者なしの6つ、かけて42のグループが出来るが、パート主婦には「配偶者なし」はおらず、本人がアンダークラスの場合は自動的に「配偶者なし」のみになるので実質は30のグループに分けることができる。そのうちデータが多い17のグループについて、ざっと分析されているが、ここでは紹介しない。(続く)

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新・日本の階級社会(その2)

 それでは各階級にどのくらい人がいるのか?経営者・役員と自営業主・家族従業者は従業員数5人以上を資本家階級、以下は旧中間階級と分類し、管理職・専門職は新中間階級、事務職は男性の正規従業員のみを新中間階級とし、女性および非正規は労働者階級とした。リタイヤした無職の人々を除外して「平成24年就業構造基本調査」からはじき出した日本の階級構成は、資本家階級 4.1% 新中間階級 20.6% 労働者階級 62.5%(正規労働者35.1% パート主婦12.6% その他非正規14.9%…非正規労働者が労働者階級の4割以上)旧中間階級12.9%となる。橋本氏は非正規労働者のうち、パート主婦(配偶者の階級によって帰属階級意識等が変化する)を除いた人たち(男性と非配偶女性)を「アンダークラス」と位置付けてる。これを示したのが図表2-4だ。
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 「国勢調査」の結果から、各階級(ただしアンダークラスは分からない)がおよそどのような割合で推移していったかが分かる。1950年代の日本では、旧中間層が6割近く、巨大な農業国であった。60年代初めに旧中間階級と労働者階級の数が逆転し、資本家階級は95年まで急速に増加した。95年以降、増加を続けていた資本家階級と新中間階級が減少に転じているが、これは零細企業の廃業、正規雇用の縮小、管理職の減少と非正規への置き換えが進んだためである。2010年は福祉・医療分野の下級専門職の増加で新中間階級が回復傾向にあった。ここで新中間階級に「下級専門職」が含まれていることは注視しておこう。
 本書で紹介される各階級のプロフィールは次のとおりである。
(1) 資本家階級…254万人
 個人平均年収604万円(従業員30人以上では861万円)、世帯平均収入は1060万円(同1244万円)、家計資産の平均額は4863万円と収入・資産とも多く、経済的に恵まれ、満ち足りた生活を送りっている。自民党支持率が47.4%と高く、政治的には保守的。
(2) 新中間層階級…1285万人
 個人平均年収499万円、世帯平均年収は798万円、家計資産の平均額が2353万円である。高等教育を受けた人の割合が61.4%と教育水準が高く、情報機器を使いこなし、収入もかなり多く、豊かな生活をする人々。自民党支持率は27.5%で、必ずしも政治的に保守的というわけではない。
(3) 正規労働者…2192万人
 個人平均年収370万円、世帯平均年収は630万円、家計資産の平均額が1428万円である。それなりの所得水準と生活水準を確保して、おおむね生活に満足している階級。自民党支持率は24.1%。
(4) アンダークラス…929万人
 個人平均年収186万円、世帯平均年収は343万円、家計資産の平均額が1119万円である。所得水準、生活水準が極端に低く、一般的な意味での家族を形成・維持することからも排除され、多くの不満をもつ、現代社会の最下層階級 男性は有配偶者が少なく女性は離死別者が多い 自民党支持率は15.3%と各階級で最低である。
(5) 旧中間層階級…806万人
 個人平均年収303万円、世帯平均年収は587万円、家計資産の平均額が2917万円である。自民党支持率は35.5%と高く、政治的には保守的だが、民主党(当時)支持率が6.8%、共産党支持率が3.3%と最高になってもいる。規模の上で縮小傾向を続けるなかで衰退に向かい、その政治的性格を変えつつある。

 父親が資本家階級である人が、資本家階級では28.5%存在する。人々が父親と同じ階級に所属しやすいという事自体は、他の階級も変わらず、階級間には世襲的な傾向が存在する。
_0001  育った家庭の環境の調査で、家に本が少なかった(25冊以下)は、新中間階級31.1%、正規労働者48.4%、アンダークラスでは53.7%ある。本に親しむような文化があったかどうかが、所属階級の違いを生んでいるようだ。またアンダークラスでは、最終学歴を中退した人が多い。学校中退が、安定した職の確保に大きくマイナスに働いていると考えられる。
 卒業後すぐに就職した人は、新中間階級87.2%、正規労働者88.0%、アンダークラス66.7%となっている。新規学卒一括採用の慣行が強い日本において、学卒後すぐに就職しない(できない)ことが、後々まで影響を及ぼしている。
 またアンダークラスえは、学校でいじめを受けた経験をもつ人の比率が高い(資本家階級で8.3%、その他の階級で十数%、アンダークラスでは31.9%)いじめや不登校の経験は、アンダークラスへの所属と結びついているようだ。
 健康状態の調査によって、高収入の資本家階級は高脂血症・高コレステロール血症の診断や治療をうけたことのある人が多いのに対し、アンダークラスでは少なくなっている。一方、アンダークラスは「抑うつ傾向」が突出している。

 「資本家階級」対、「他の3つの階級」という対立構造があると言えるが、「他の3つの階級」間の差は大きいことが分かる…労働者階級の内部に大きな格差が生まれ、正規労働者とアンダークラスの異質性…安定した生活を送り、さほどの強い不満もなく、満足や幸せを感じながら生きることのできる人々と、これができない人々との違いである。
「だとすると、いまや資本家階級から正規労働者までが、お互いの対立と格差は保ちながらも、一体となってアンダークラスの上に立ち、アンダークラスを支配・抑圧しているといえないだろうか。これは、いわば四対一の階級構造である。」
 「アンダークラスは社会の底辺で、低賃金の単純労働に従事し、他の多くの人々の生活を支えている。長時間営業の外食産業やコンビニエンスストア、安価で良質の日用品が手に入るディスカウントショップ、いつでも欲しいものが自宅まで届けられる流通機構、いつも美しく快適なオフィスビルやショッピングモールなど、現代社会の利便性、快適さの多くが、アンダークラスの低賃金労働によって可能になっている。しかし彼ら・彼女らは健康状態に不安があり、とくに精神的な問題を抱えやすく、将来の見通しもない。しかもソーシャルキャピタルの蓄積が乏しく、無防備な状況に置かれている。他の四階級との間の決定的な格差の下で、苦しみ続けているのがアンダークラスなのである。この事実は、重く受け止める必要がある。」(p113~114)と筆者はまとめている。

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新・日本の階級社会(その1)

 「新・日本の階級社会」(橋本健二 講談社現代新書 2018年1月)が話題になっているので、読んでみた。日本では格差が拡大し、新たな「階級社会」が到来した…筆者はそのアウトラインを語り、対応の処方箋を示すものである。ただ本書は、様々なデータを分析・加工して表・グラフにした結果を本文で語るという形をとってるため、なかなか「レビュー」がやりにくい。なるべく表やグラフを使わないで話を進めて行こうと思うが、細かな分析の手続きや図表は本書を購入して確認してほしい。

_0001  ジニ係数、規模別・産業別・男女別賃金格差・生活保護率の指標変化から「日本の格差」を眺めてみると、1950~60年代は生活保護率を除いて格差を示す指標が増大(格差拡大)していたが、その後格差は縮まり、1975~80年代に一旦底を打った後、90年代には再び格差が拡大してきた。

 一方で「一億総中流」と言われてきたが、出どころは総理府(現「内閣府」)が実施してきた世論調査「国民生活に関する世論調査」である。その中で「お宅の生活の程度は、世間一般からみて、どうですか」という質問に対し、「上」「中の上」「中の中」「中の下」「下」「わからない」の答えが用意されていた…ここで3つの「中」を合計すれば、当然「中流」の比率が高くなる…「中の~」と答えた人は1975年で90.7%、2017年で92.4%だそうな。当然、こういった「階級帰属意識」と階級帰属の「実態」は違っている。
 だがこの調査結果も見方を変えて、「上」「中の上」を「人並みより上」、「中」を「人並み程度」、「中の下」「下」を「人並みより下」として集計しなおしてみると、79年までは「人並みより下」が減少して「人並み程度」が増加し、90年代は「人並より上」が増加してきている。さらに2000年代は「人並みより下」と「人並みより上」が増加する分極化が起こっている。また、ジニ係数が上がれば「人並みより上」であると感じる人が増えている。
 さらに所得階層別(富裕層か貧困層か)に「階級帰属意識(人並みより上か下か)」を聞くと、年代が過ぎるごとに富裕層が自分を「人並みより上」であると認識する率が高くなり、貧困層が「人並みより上」であると認識する率が低くなる。すなわち、「一億総中流」と言われていた時代は、豊かな人々は自分の豊かさを、貧しい人々は自分の貧しさをよく分かっていなかったのだが、時代が進み「格差社会」が進むにつれ、人はそれぞれを明確に意識するようになったということが言える。
 また「自民党支持率」を調べてみると、富裕層で支持率は高く、所得が下がるにしたがって支持率が下がっていく。別途詳細にみていくが、自民党はその支持基盤が特権階級や富裕層に特化した「階級政党」になったとも言える。とはいえ自民党と正反対の位置に、貧困層や相対的貧困層の支持を集める単一の政党があるわけではないので、日本の政治が階級政治の性格を強めたとまではいえない…ということだそうな。

 それでは日本ではどのような「階級構造」をとっているのだろうか?カール・マルクスの階級理論から出発し、何人かの理論家たちがつくりあげたものが、「資本家階級」「新中間階級」「労働者階級」「旧中間階級」の四階級分類である。(マルクスの階級理論を説明するため、本書では「資本主義経済の基本構造」の説明も行われている…生産手段を所有する資本家階級と、それを所有せず労働力を「商品」として売らなければならない労働者階級との間で、労働力の価値vとそれに相当する賃金、および剰余価値sのやりとり関係が説明されている)四階級分類を図示すると、旧中間階級は資本家階級に雇われて生産活動を行っているわけではないので、そこが横にはみ出た図表2-3のような階級構造になるだろう。
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 さらに正規雇用が減少して非正規労働者が増加している。非正規労働者は雇用が不安定で、賃金も正規労働者より低く、貧困率も高い。非正規労働者が従来の労働者階級とも異質な、ひとつの下層階級を構成しはじめている。これを「アンダークラス」と呼ぶことにした。かつての労働者階級内部に巨大な分断線が形成され、従来の四階級に加えて、アンダークラスという新しい「階級」を含む五階級構造へと転換した、これが日本が直面する「新しい階級社会」の姿である…ということだ。(続く)

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鉄道貨物輸送がピンチ

 今月、西日本を襲った豪雨災害により、鉄道貨物輸送がピンチに陥っているお話…Y!ニュースニュースイッチ(日刊工業新聞)より(7月20日)

JR貨物が輸送確保に難航、迂回・代行検討も策乏しく
 西日本豪雨で11月まで幹線物流寸断
 西日本を襲った「平成30年7月豪雨」の影響は深刻で、九州方面への鉄道貨物輸送が正常化するのは早くて11月の見通しとなった。運送業界の労働力不足を背景に、代替トラックの確保は難航。JR貨物は迂回運転の検討も含めて、代行輸送力確保に尽力するが“運べない”状況は当分の間続きそうだ。幹線物流の寸断に打開策は乏しく、鉄道貨物ユーザーの一部は、サプライチェーンの見直しも迫られている。
 JR貨物の真貝康一社長は「基幹線は(本来)強いはず、なのだが」と頭を抱える。JR西日本は被災路線の復旧について岡山から山陰方面の伯備線が8月中旬、広島・山口の山陽線が11月中を目指すと明らかにした。山陽線は1日65本のコンテナ列車が通る鉄道輸送の大動脈。豪雨で輸送影響が出ている1日3万トンの貨物の大半は山陽線を経由する。
 12日からトラックや船舶による代行輸送も開始。真貝社長は「最大限の代行輸送を、利用運送業者と構築している」と説明するが、確保した代行輸送力は平時の13―14%程度にすぎない。フェリーの船腹にも余裕はなく、トラック運転手不足もあって上積みは難しい。
 不通区間のコンテナ滞留解消を進める中で「一部荷主からは荷物を発地に戻してほしいとの要請もある」(日本通運)という。長期化を見据え、鉄道貨物荷主の一部では、生産工場の変更などサプライチェーンの見直しも始まっているようだ。
 JR貨物は大阪から福知山線、山陰線、山口線を経由して山陽線に至る迂回ルートの検討も進めている。ただ迂回ルートの大部分はすでに第2種鉄道事業を廃止しており、営業免許がない。また単線かつ非電化で山間部には曲線が多く、技術的な実現の壁も高い。
 非電化区間を走行するにはディーゼル機関車と運転士の確保が不可欠だ。JR西との協力、調整を進めているが迂回運転の開始には早くても1カ月程度かかりそうだ。8月中旬に運転再開を予定する伯備線を経由すれば迂回区間の短縮も可能で、さまざまな選択肢を検討しているもようだ。
 迂回が実現しても、山陽線のようなコンテナ26両の長編成での運転は難しい。「9両編成で1日数本」(JR貨物幹部)を軸に検討しており、過度な期待はできない状況。「復旧、開通を最優先で進める」(真貝社長)と、打開策は見えないのが現状だ。
 鉄道貨物の物流における役割は高まっている。長期的にモーダルシフトを推進するには、災害など輸送障害対策が不可欠だ。2014年には静岡県内の東海道線・由比―興津間で崖崩れが発生して10日間不通となり、JR貨物の半数の列車に影響した。真貝社長は「在来線の強靱(きょうじん)化が必要だ」と訴える。
 災害に強い在来線づくりを、再度考える契機になりそうだ。

類似記事として、Y!ニュース朝日新聞物流「大動脈」山陽線が寸断 暮らし・経済に大きな打撃もリンクだけ貼っとく。

 山陽本線は柳井~下松が9月中の開通見込み、三原~白市が11月中の開通見込みとなっている(JR西日本のサイト )このように山陽本線を経由する基幹貨物輸送が長期間、途絶えることになる。ちなみに阪神淡路大震災の時は、山陽本線が全通したのが4月1日、地震発生から74日かかっている。
 東日本大震災の時もそだったが、幹線鉄道が寸断されると、日本の基幹貨物輸送も長く寸断されることになる。災害時に備えて普段から「代替ルート」を確保…貨物列車が日常的に行き来できるよう、普段使いしておき、列車の入れ替え施設等も余裕をもって整備しておく必要があるのだが、JR貨物は自社で線路・設備を持たず、第二種鉄道事業者となるのでそれも難しい。
 国鉄を「分割・民営化」した30数年前、日本が毎年のように地震・水害によって大きな被害をうけるということは想定されていなかったと思うし、人手不足や環境問題から鉄道貨物がこれだけ重要性を増すということも考慮されていなかった。
 引用記事では「災害に強い在来線づくり」とあるが、JR貨物の経営形態も含め、見直しをかける必要があると思うぞvirgo

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「拉致問題」を解決する気も能力もない安倍政権

 

先日のブログ記事 にて、安倍政権が「『拉致問題』を本当に解決する気もなく」と書いたが、その根拠とかを述べよう。
 実は今年の3月、非常に重要な情報が共同通信社によって報じられている。それはこれまで朝鮮が認定していなかった「拉致被害者」が2名、朝鮮に入国していたことが2014年に日本政府に伝えられていたことが明らかになったということである。
 北朝鮮一転、拉致被害者入国認める  北朝鮮、拉致別の1人の入国も認める
 両記事とも事実関係を簡潔に述べただけにすぎないものだが、2014年が日朝関係において重要なことが起こっている。「ストックホルム合意」だ。これは日朝両政府が2014年5月、スウェーデンのストックホルムで合意したもので、内容はリンク(pdf) のとおり。日朝間の懸案事項、主に「拉致問題」を解決して、日朝平壌宣言に則り、国交正常化を進めて行こうというものである。

 先の共同通信の情報では、2014年のいつの時点で日本政府に伝えられたのか明らかにされていないが、どうやらこのストックホルム宣言以前の話らしい。朝鮮側が「拉致」と認定していない日本人の入国事実を認めたということは、宣言に先立つ朝鮮側がこの問題をまじめに取り組むという意思表示であろう。
 「ストックホルム宣言」には朝鮮側のやることの5番目に「拉致問題については、拉致被害者及び行方不明者に対する調査の状況を日本側に随時通報し、調査の過程において日本人の生存者が発見される場合には,その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じることとした。」とある。仮に2名の日本人の朝鮮入国の報告が宣言合意前であったとしても、合意後に発表することは可能なハズだ…だがなぜか日本政府は事実を隠し続け、今年3月にそれが報道により明らかになったのである。2014年はもちろん、安倍政権である。
 「ストックホルム合意」についてはそればかりでなく、朝鮮側は宣言に基づき「特別調査委員会」を立ち上げで「朝鮮に住む日本人(主に「拉致被害者」であろう)」の調査を行い、翌2015年に報告書が出来たのだが、日本側はこれを受け取っていない。理由は定かではないが、内容が「拉致被害者」の多くが死亡、という結果で、それは「受け入れられない」ということらしい。
 ただ、内容が受け入れられないか、中身が正しいかどうかは、受け取ってその中身を精査しないことには何とも言えない。朝鮮側から言わせれば「委員会を作って報告書を提出したのに、受け取りもせずイチャモンばかりつけてくる」と文句も言いたくなるだろう。その後、朝鮮側は2016年2月に特別委員会を解散し、今に至る。そう、「拉致問題」についてはこちら側にボールがあり、そのまんまになっているというのが正確なところだ。そしてボールを投げ返していないのは安倍政権の責任なのである。

 「日朝ストックホルム合意」前後の安倍政権の態度ひとつを見ても、安倍政権が「拉致問題」に真摯に対応していないことは明らかである。が、そればかりではない…かつて「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(以下「家族会」)副代表で、朝鮮に対し強硬論を唱えていた蓮池透氏は、「リテラ」やその著書において安部がいかに拉致被害者に冷淡で、かつ拉致問題を政治利用してきたか繰り返し発信されている。例えばこちらのリンク では、蓮池氏が著書で安倍が実際は拉致被害者たちを北朝鮮に帰そうとしていたにもかかわらず、自分が止めたかのような嘘をついていたことに対し、安倍は 「私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申し挙げます。私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」などと、森友問題と全く同じような答弁をしていることが紹介されている。

 朝鮮においても「労働新聞」においてモリカケ問題がしっかり報道されている …こんな「信用できない」安倍なんぞと交渉するのは、さぞや骨が折れるだろう。やっぱり安倍に日朝交渉を任せるわけにはいかない。とっととヤメロangry

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日朝会談は歓迎するが、安倍で出来るのか?

 6月12日に史上初の「米朝首脳会談」がシンガポールで行われた。朝鮮半島非核化、米朝の和解、朝鮮戦争の終結までの道のりはまだまだ遠いが、双方が前向きに新たな関係を構築することが宣言された、有意義なものだったと思う。
 さて、この米朝会談の成功を受けて、日朝でも再び直接対話が持たれようとしている。Y!ニュース産経新聞より
日朝会談へ本格調整 正恩氏「首相と会ってもよい」
 12日の米朝首脳会談で。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領に対して「安倍晋三首相と会ってもよい」と述べていたことが13日、分かった。これを受け、日本政府は日朝首脳会談の本格調整に入った。安倍首相は14日に拉致被害者家族と首相官邸で面会を予定しており、ここで拉致問題解決に向けた交渉方針を説明する意向だ。
 複数の政府関係者が明らかにした。金氏の意向については12日中に米政府から複数のルートで日本政府に伝達されたという。米朝首脳会談で、トランプ氏は「完全な非核化を実現すれば経済制裁は解くが、本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」との旨を金氏に説明。その上で「安倍首相は拉致問題を解決しない限り、支援には応じない」と述べたとされる。
 この説明を受け、金氏は、安倍首相との会談に前向きな姿勢を示したという。会談中に北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」という従来の見解は一度も示さなかったという。政府関係者によると、水面下の米朝折衝でも、北朝鮮側は日朝協議に前向きな姿勢を示していたという。
 トランプ氏は米朝首脳会談後の記者会見で、拉致問題について「共同声明に盛り込まなかったが、(会談で)取り上げた。安倍首相の最重要課題でもあるからだ」と説明。安倍首相は12日夜、トランプ氏との電話会談後、拉致問題について「日本が北朝鮮と直接向き合い、解決していかねばならないと決意している」と述べた。

 トランプの尻馬に乗って「最大限の圧力を!」と叫び続け、核・ミサイルを口実に朝鮮の脅威と敵愾心を煽りながら、イージス・アショアの導入など軍拡政策を繰り広げつつ、支持を得ながら「改憲」の道を突き進んできた安倍首相が、米朝会談が成功する(しかもトランプが「拉致問題」を金正恩に提起したという「成果」を確認した)や否や、朝鮮との交渉に臨むなぞ、「どのツラを下げてぬかしとんじゃsign03の世界である。

 しかし日朝間で対話を行い、敵対関係を清算して国交を樹立することは、東アジアの平和構築のためにはなさねばならないことである。だから日朝会談そのものには反対しない。

 だが安倍首相は日朝会談の成功を「演出」することで、9月の自民党総裁選における3選を確実にしようとすることは目に見えている…だから会談は7~8月とかなりの早さで実施されるだろう…もっとも、「拉致問題」を本当に解決する気もなく(そのことは別途述べたい)、ましてや日朝間の本当の懸案事項、植民地支配問題をさらさら解決する気がない安倍首相に、日朝会談を「成功裏」に終わらせることは期待できない。それどころか、わざと「失敗」してより朝鮮への排外主義・脅威をあおって国内をかため、支持をとりつけながら「改憲」への道を突き進むことも十分予想される。

 朝鮮との新しい関係は、安倍以外の新しい風を入れて行うべきである。そのためにも、安倍政権を打倒しようではないかvirgo

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