技術屋さんのお話

辺野古の海底 地盤脆弱だって

 なぜかしんぶん赤旗から…
辺野古の海底 地盤脆弱/新基地 本紙入手 米軍資料で判明
 政府は沖縄県名護市の辺野古崎、大浦湾での新基地建設に伴う護岸工事を強行しました。しかし、この地域の海底は脆弱(ぜいじゃく)な地盤で巨大建設物をつくる危険性が指摘されています。本紙はそれを裏付ける、同海域の急峻(きゅうしゅん)な地形や水深と、空洞の存在が懸念される琉球石灰岩によるサンゴ礁などの地質を示す米軍作成の「軍用地形図」を入手しました。 (山本眞直)
 軍用地形図は、米軍占領後の1949年に、軍事基地の本格的な建設に向けて作成した「基本地図」の一つとされています。琉球大学の目崎茂和元教授(理学博士)がその一部を所蔵していました。
 軍用地形図には、辺野古崎の南側、リーフと呼ばれる遠浅な沿岸部、北側の大浦湾の地形に沿って広がるサンゴ礁群と水深が詳細に示されています。
 また、埋め立て予定海域の地質の大半が、サンゴ礁や砂地です。
 大浦湾にせり出す新基地の滑走路先端部に当たる護岸部分は、水深が数メートルから二十数メートルの絶壁、その先には50メートル級の深海が広がっています。こういう場所に新基地の土台となる、最大で1基7400トンもの鉄筋コンクリートでできた巨大な箱のケーソンを千数百メートルにわたって設置しようとしているのです。
 あまりに危険
 沖縄県内の琉球石灰岩による軟弱地盤の難工事を経験している土木技術者、奥間政則さん(51)の話
 埋め立て海域は、サンゴ礁とその地下に琉球石灰岩の堆積という軟弱地盤であることが容易に想像できる。ここに巨大なケーソンを設置するにはあまりに危険で無謀だ。基礎構造の変更などの大規模な設計変更は避けられない。そうであれば翁長雄志県知事が表明している埋め立て承認の「撤回」の当然の理由となる。政府は新基地建設を断念すべきだ。


 辺野古の海域では、工事着手と称しているが、なぜかボーリング調査「も」行われていた。大型船「ポセイドン」がやっていたのは、どうも地質調査だったようだ。で、ちんたらちんたらボーリング調査が続けられている「理由」として、もれ聞こえてくるハナシが、実は地盤が悪かったのでは?ということであった。
 辺野古新基地建設に関わる埋立て工事において、重要なのは大浦湾の深さ30m近くある海底に、大型ケーソンを設置することだ。ケーソンは普通、堅固な岩盤の上に「直置き」する。で、あの辺は琉球石灰岩の「硬いヤツ」があるだろうから、その上に重量のあるケーソンを置いても大丈夫だろうということである。
 ところで記事に「空洞の存在が懸念される」とある…これは石灰岩地質のところで、鍾乳洞の卵みたいな空洞が存在することがあるのだ。こんなのが海底のごく浅いところにあれば、その地層はケーソンを支えることが出来ない。記事では「軟弱地盤」と書いてあるが、あまりこういったケースを「軟弱地盤」とは呼ばない。

 もしケーソンを支える地盤の下に空洞があった場合どうするか?
 空洞の位置や大きさにもよるが、一般的には、空洞を避けてケーソンの設置位置を変えるか、くい基礎を作るかだろう。空洞が小規模なものであれば、内部にコンクリートを流し込めばなんとかなるかも知れない。いづれにしても、金と手間がよけいにかかる。設計は確実に変更しないといけないだろう。

 いづれにしても、ホントは地質調査(ボーリング調査)を行ってから、より安全かつ経済的にするため、もう一度詳細設計をかけるべきだったのだ。詳細設計をかける金と手間を惜しむから、不具合が出た時にとりかえしのつかない「手戻り」が生じることになる。

 本当に海底地盤の浅いところに空洞があってケーソンが支えられない場合、設計をやり直すことになるから、その間確実に工事は止まる。また、海底にくい基礎を構築することは今回の埋立て工事では想定されていないので、工事内容の大幅な変更と、それによる「埋立て条件の見直し」すなわち承認された条件を変更する手続きが必要になる。環境アセスメントで示された条件も変わってくる…沖縄県側はいくらでも「承認撤回」「変更無承認」が出来るのだ。

 ま、そうゆうことである。

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軍学共同の研究を許すな!

 革共同再建協議会機関紙未来206号 に掲載されている論文「軍学共同へ走る安倍政権」軍事予算で大学の取り込み狙う(津田 文章)からの抜粋と、私の感想…

・日本の製造業はすでにアジア諸国に生産拠点を移し、国内産業は空洞化している。得意としていた半導体製造に関しても、価格競争力でアジア諸国に太刀打ちできなくなった。日本の新たな輸出産業は原発、武器しかなくなっているのが現状だ。
・昨年、防衛省は「安全保障技術研究促進制度」という競争的資金制度を作り、研究機関への研究委託という形で3億円の予算をつけた。指定した研究テーマにそって科学技術者を公募し、研究資金を提供する制度だ。(中略)東京新聞によれば、自民党の国防部会はこれを「100億円に増額せよ」と要請しているようだ。
・1966年、日本物理学会がおこなった半導体国際会議に米軍資金が使われていたことが問題になった。1967年10月、日本学術会議は2回目の声明を出した「近時、米国陸軍極東研究開発部局よりの半導体国際会議やその他の個別的研究者に対する研究費の援助等の諸問題を契機として、われわれはこの点に不覚思い致し、決意を新たにしなければならない情勢に直面している。…戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わないという決意を声明する。」・・・1967年の声明は、学園闘争の発端を切り開く、若き研究者のたたかいの中でつくられた。(山本義孝、小出昭一郎、水戸巌、槌田敦などのたたかいによって、1967年に日本物理学会は「今後内外を問わず、一切の軍隊からの援助、その他一切の協力関係を持たない」(決議3)を決定した。
・戦争中、科学者は特権階級として戦争の恩恵を最大限にうけていた。まず、戦場に行く必要はなかった。挙国一致体制のもとで、科学研究費は大幅に増額された。1950年に日本学術会議(学問・思想の自由保障委員会)が行ったアンケートでは「戦争中はいちばん研究の自由があった」という回答がいちばん多かったという。ここにあるのは「たとえ軍からの資金であっても、自分の好きな研究ができればよい」という思想だ。
・2004年、大学は研究法人となった。新自由主義政策が導入され、大学どうし、研究者どうしが競走にさらされている。財界に「役立つ」分野の研究者は資金をぜいたくに投入するが、それからもれた分野の研究者は資金に苦しんでいる。競争的資金の導入で研究者は自分で研究資金をつくるしかないのだ。研究者は「どんな金であっても研究資金がほしい」という状況に追いやられている。
・科学技術において、軍事利用と民生的利用とは区別できない。この<科学と技術の両義性(デュアルユース)>を軍事研究をする口実に持ち出してきている。「科学技術を発展させるためであれば、いかなる資金であってもよいのではないか」「使い方の問題だから科学者・技術者の責任ではない」という意見が研究者のなかには根強く存在している。しかし、軍からの資金でおこなわれる研究は、いかなる内容であれ軍事研究なのだ。軍事研究は内容で判断するのではなく、どこから資金がでているかを判断の基準とすべきだ。

 と、とりとめもなく引用した…特に最後の引用は重要だろう…インターネットに代表されるよう、もはや科学技術に「軍事」と「民生」の境は存在しない。だから「民生用」だと思って開発した科学技術が「軍事転用」される可能性は十分ある。ただ「軍事転用」するためには「軍」から資金を得た特別な研究者が行うのが普通だろう…だから、どこから金がでているのか?ということが大切なのだ。

 あとはオマケの話…大学時代「土木工学は英語でCivil enginiaring と呼ぶ…市民のための技術なんだ…後の工学はMIilitary enginiaringなんだ」とのたまわっていたヤツもいたが、豊臣秀吉の「水攻め」を見ても分かるように、土木工学もちゃんと戦争に応用できる。旧日本軍には鉄道連隊があったし(新京成電鉄 はその跡地をつないで旅客営業した鉄道である…よってやたら路線がぐにゃぐにゃしている)、工兵部隊がないと、歩兵部隊の侵攻ができない所もある。土木工学も軍事に応用できるのだ。学会の論文集にも、たまに「防衛大学校」から「爆発物に耐えられるコンクリート」などという研究論文が発表されている。

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自然エネルギー普及の愚…ドイツの事例

 「脱原発系」の人々の多くが「原発止めて自然エネルギーに」という意見を持っていて、集会や電力会社前でやる「金曜行動(「反原連」が首相官邸前で毎週金曜日に原発再稼働反対を訴えているのが全国に広まったもの…高松でも四電本社前でやってるよ!)」なんかでもそれを訴えている。私は以前から、「自然エネルギーは役に立たないクズ電力」で、「かえって資源を浪費する…そんなモン使うんだったら、その資源(化石燃料)でそのまま発電したほうがマシ」という真理をこのサイト から得ているので、心の中では冷笑しつつ、「脱原発」は共通できるのでケンカせずに一緒にやっている。
 で、今回は「2020年までの脱原発」を政策に掲げ、「自然エネルギー大国」となっている(だから「脱原発系」の人から賞賛される)ドイツの電気エネルギー事情について「ドイツリスク 夢見る政治が引き起こす混乱 三好範英 光文社新書」からピックアップしてみようと思う。
S20160412
 ドイツでの自然エネルギーの普及は、今日本でも行われている「固定価格買取り制度」のおかげである。この制度はドイツでは2000年に始まり、その後自然エネルギーの割合は急速に伸びる…特に2011年以降の伸びが顕著で、2010年に1億480万メガワット時(総発電量の16.6%)から、2014年には1億6060万メガワット時(同26.2%)に増加している。
 ドイツの自然エネルギーは風力発電が多く、次いでバイオマス、太陽光発電となっている。風力発電は陸上では立地の限界にきており、建設の比重は海上風力発電に移っている。北海やバルト海は遠浅で、陸地から40㎞離れたところでも、海底固定式の風力発電所が設置可能という事情もある。だが、陸上に同規模の発電所を設置する場合と比べコストが高く、建設費で4倍以上、維持費も2~3倍かかるそうだ。

  そんな「高い」コストの自然エネルギーが増えれば、固定買取り総額が増えて来る…2005年に45億ユーロだった買取り総額は、14年には200億ユーロになっている。それは電力料金に上乗せされ、消費者が負担することになる。2014年の電気料金は、年間3500キロワット時を消費する3人家族の標準世帯で、1019.88ユーロ(約14万円)となった…これは2000年における487.9ユーロの2倍強である。この間、発電、送電、販売のコスト増は約60%の上昇だが、買取り制度による賦課金や環境税など付随する料金が190%の上昇となっている。ただし、輸出競争力を確保するため、アルミ産業、鉄道などは賦課金を軽減されるなどの優遇を受けている。

 問題はここからだ…ドイツは日本と比べてまんべんなく人口や産業が立地しているイメージを私は持っていたが、実は北部は人口が少なく、南部に人口や産業が密集し、原発も南部に偏っている…逆に人口の多い南部では風力や太陽光発電の立地場所の余裕がないため、それらの発電所は北部に集中する…よってドイツでは現在、南北を結ぶ送電線の建設に余念がない…ドイツには大手送電会社が4社あるが、その4社がエネルギー転換決定を受けて2012年5月に新たな「送電線開発計画」を発表した。転換のためには既存の送電線4400㎞の改修、高圧送電線などを3800㎞新設する必要があるという…しかし高圧送電線建設計画は中部チューリンゲンの森を通す計画など全国の少なくとも4か所で、大規模な反対運動に遭遇して立往生している。

 自然エネルギーの発電量は天候によって左右される、中小規模の水力、火力発電所の発電量で調整したり、場合によっては風力発電所の稼働を止めるよう要請する。自然エネルギーが増えることにより、年々その調整が難しくなっているという。それだけでなく、過剰な電力供給により、電力取引市場におけるマイナスの電気料金、つまり、電気を料金を払って引き取ってもらうという珍現象まで起きる始末である。(これをネガティブ・プライスと呼ぶ)
 先ほども書いたように、調整のためにはバックアップ発電所…すなわち既存の水力・火力発電所が必要になる。ドイツ環境省によれば、自然エネルギーの普及に伴い、2020年までにおよそ原発8基分の1万メガワットの化石燃料発電所が必要だそうな。
 しかし「固定買取」によって自然エネルギーが優先的に買い取られる結果、売電できずに収入が減った既存発電所の事業者が次々と撤退しようとしている。かろうじて採算が成り立つのはドイツで自給可能な「褐炭発電所」のみである。2014年の発電量の首位を占めるのは褐炭発電で、総発電力の25.4%、ドイツの総発電量の43.2%が石炭発電である。「温室効果ガス(注…これもこのサイト で温暖化は産業活動によって発生した二酸化炭素が原因ではないことを私は知っているが)の観点から望ましいガス発電は、コスト面で折り合わず減少している(…なぜ効率の良い「ガスコンパウンド発電」が普及しないのだろうか?新規に投資する人間が「何らかの理由」でいないのであろう…)
 かくして、自然エネルギーの普及にもかかわらず、温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量は2012年、むしろ増加している。

 お分かりだろうか・・・これが「環境先進国」と言われるドイツの実態である。自然エネルギーを推進すればするほど、電気料金は高くなるばかりでなく、よけいな送電線を建設し、火力発電も建設しなければならない。

 日本は既存のシステムの改良で、なんとか「原発の無い」2年半を乗り切っている…脱原発は、別に自然エネルギーを普及させなくても先進工業国で「今、出来る」ことが証明されたわけだ…変に自然エネルギーを普及させることは、愚の骨頂であると断言しよう。

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コンクリートに石炭灰を混ぜる話…

 伊方原発3号機を再稼働させようとするかと思えば、1号機は廃炉にするという何かと忙しい四国電力であるが、土木方面ではこんな技術を持っている。
 ぶっちゃけた話、表題のとおり…石炭火力発電所(四電では阿南にある橘湾発電所 出力70万キロワット・・・コイツのお陰で原発なくても電気が足りていたわけ)から出る石炭灰、性格に言うと「フライアッシュ」をコンクリートに混ぜて使うノウハウである。

 フライアッシュはセメントのような粉末だから、セメントと置き換えて使う方法と、砂…特に最近は採取が限定されている海砂の代替品として使う方法がある。
 セメントと置き換えて使用する場合、セメントは水と反応して硬化するが、フライアッシュにはそのような性質はない…ただセメント中の水酸化カルシウムと反応して別の物質となり、コンクリートの組織を緻密化させる働きがある。この反応を「ポゾラン反応」と呼ぶ。セメントが少なくなる分、強度が出にくくなるが、湿潤養生をきちんとすれば、より緻密で長寿命のコンクリートとなる。
 砂と置き換えて使う場合でも、そのような反応は期待できる。なお、ポゾラン反応はフライアッシュ以外にも様々なシリカ(ケイ素)を含む物質で起こる…身近なところでは農作物の茎なんかを焼いた灰にもあるそうだ・・・また、コンクリートが使われ出したころ、「火山灰」にコンクリートを緻密化させる働きがあることが経験的に知られており、北海道、小樽港の防波堤に使用された「小樽築港100年コンクリート」は、文字通り、100年以上たった現在でも現役で使われている。

 で、このフライアッシュを使うノウハウを四電はよく研究しており、徳島の南のほうや高知の生コンプラントでは、フライアッシュを混入したコンクリートが「JIS認証」を受けて販売されているのだsign03

 砂…といっても、西日本ではほとんどが採石・砕砂を使うので、ある程度の柔らかさを持つコンクリートを得ようとすると、単位水量…1m3あたりに使用する水の量が多くなる…これで強度を上げようとすると、水セメント比を下げる、すなわちセメント量を増やさなければならない。
 ところがフライアッシュを使用すると、粒が細かくて丸いので、単位水量を減らすことが出来る。実際、同じ単位水量で採砂ばかりを使った場合と、フライアッシュを混ぜた場合とでは、フライアッシュを使った場合のほうが練りあがったコンクリートの状態はサラサラしたものになる。

 フライアッシュは石炭火力の廃棄物だが、こうゆうふうに有効利用することが出来るのだ。
 欠点は、付着したカーボン(石炭の燃えカス)の影響により、コンクリートに微細な空気(JISコンクリートでは、その量は4.5±1.5%と決められている)を連行するための、「AE剤」という薬が効きにくくなること…もちろんフライアッシュそのものもJIS A 6201で規格化されており、Ⅰ種からⅣ種までの種類に分類されている…当然、規格外の「石炭灰」はコンクリートに混ぜられることは無い。

以上、コンクリートと石炭灰のおはなしでしたvirgo
 

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土木業界の「女性活用」について…

 安倍政権は「一億総活躍」…を言う前から「女性の活用」とかいうことをしきりに述べている…では、我が土木建設業界での「女性の活用」・・・というか、土木・建設業界で「技術屋」として働く女性の実態について、私の知る限りで述べてみよう。

 ぶっちゃけた話、土木建設業界で「技術屋」として働く女性の数自体、少ない・・・なにぶん、80年代、私の大学時代は大学の「工学部 土木工学科」に女子学生なぞ、全くといっていいほどいなかった…「男女雇用機会均等法」ができても、そもそも土木工学を学んでいる女性がいないから、当然女性技術者なんぞ雇いたくても雇えない。
 いや、その頃はバブルの時代で、土木業界自体が「3K職場」として敬遠され、土木工学を学んだヤツが銀行に就職するような時代でもあった。土木学会誌では、「土木のイメージアップ」を測るための特集を組み、「土木」そのものの名称を変えようなんて議論も起こったぐらいである。女性の獲得以前に、人材の獲得のほうが問題だったのだ。(話は変わるが、会社の経営陣・幹部に女性を…といわれても、均等法から30年、最初にいわゆる「総合職」で入った女性は多くの壁に阻まれて次々と脱落していったのだから、まだ女性が会社の経営に責任を負えるようなところまで「出世」する経験と年齢に達していない…だからこの件で「数値目標」を掲げても、どだい無理である)

 私が社会に出てからバブルがはじけ、民需は減ったものの公共投資はそれを補うべく続いたから、業界は忙しかった…そうした中、「女性技術者」もちらほら入って来るようになる。また、「技術者」ではないが、ダンプやアジテータ車(いわゆる「コンクリートミキサー」のこと、正式にはあれでミキシング(練り混ぜ)をしているわけでは無いので、アジテータ車が正しい)の運転手、交通整理を行うガードマンに女性が進出してきたのが、この頃である。

 女性技術者の行く手を阻んだものに、「トンネル工事」がある…もともと山の神様は女性だから、女性をトンネルに入れると事故が起きる…ということで、実際にトンエルを掘る抗夫から女性がトンネルに入ることを拒むことがあった。また「労働安全基準法」により、女性の坑内作業は禁止されていた。ただ80~90年代になると、トンネル工事も随分「安全」なものとなり、粉塵などの作業環境も改善されていった。女性の坑内作業禁止条項も法改正により無くなった…これで女性技術者がトンネルに入ることが出来るようになった。

 まぁ土木建設業界でも、みんながみんな「現場」に出るわけではない…設計やコンサルティング部門では「内業」がほとんどだから、そういった部門で活躍する女性技術者は増えているのだろう。
 ところが、やはり「現場の第一線」ではまだまだ少ないのが実情である…で、会社に二十数年いて、様々な女性技術者を見てきたが、やっぱり数が少ない。

 いわゆる「結婚」して「子育て」となると、もうどうなっているのか私では分からない…結婚して「寿退社」した女性技術者もいれば、多忙その他ゆえ結婚していない女性技術者も多い一方、若くして職場内その他で結婚し、そのまま会社で仕事を続けるという女性技術者もようやく出てきた・・・というような感じである。

 土木学会誌でも、女性土木技術者の特集を組んで、何が問題なのかとか座談会なんかやっているが、まだまだ…というのが現状である。学会誌では「土木女子…ドボ女」という言葉を随分前から使ってはいるが、まだまだ一般社会には認知されていない。
 
 前のエントリー で上げた、業界の慢性的な忙しさを改善しない限り、女性はおろか、男性もウチの業界には来ないだろう…残念ながらそれが現実なのである。

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西日本高速で過労死、まったく我が業界は慢性的に忙しい

 YAHOOニュースでこんな記事があった…元は神戸新聞…西日本高速で男性過労死 退勤後8分後に出勤も
 西日本高速道路第二神明道路事務所(神戸市垂水区)で道路の施工管理を担当していた男性社員(34)の自死について、神戸西労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。遺族によると、男性の時間外勤務は最大月178時間に達し、退勤から次の出勤まで8分しかない異常な勤務記録もあった。同事務所は残業代の未払いで労基署から是正勧告を受けていたことも分かった。(中部 剛)
 男性は2014年10月、九州の道路事務所から赴任し、第二神明の補修、改良を担当。15年2月、神戸市内の社員寮で自死しているのが見つかった。転勤後から「仕事が忙しく時間がない」「体調がよくない」と家族に漏らしていたという。

 遺族が第二神明道路事務所から提供されたセキュリティーシステムの入退室時刻やパソコンの使用時間から労働時間を算出すると、転勤直後の14年10月の時間外労働は150時間、11月178時間、12月152時間、15年1月108時間だった。
 夜間工事の監督業務にも従事し、14年11月4日は午前7時半に出勤し、昼と夕の休憩を挟んで翌5日午前4時59分まで勤務。その後、午前5時7分に再び出勤した記録がある。同月は午前5、6時の退勤が4日あり、うち3日は次の出勤までの間隔が8分、26分、2時間18分だった。
 同事務所の労働時間を管理する就業管理システムには、月34~85時間の時間外勤務しか記録されておらず、勤務実態を大幅に下回っていたため、会社側から遺族に残業代の追加支払いの申し出があったという。他の従業員も残業代の未払いがあったとみられ、昨年、神戸西労基署が是正勧告。西日本高速道路関西支社は勧告があったことを認めたものの、「詳細は差し控える」としている。
 遺族は「こなし切れない仕事量を課され、明らかなパワハラだ」と憤り、同社に勤務状況を詳細に説明するよう求めた。男性社員が搬送された病院で上司の課長が「業務量に対し明らかに人手が不足していた」と謝罪。その後、所長も管理責任を認めたという。
 これに対し、同支社広報課の赤井健二課長は「労災認定を重く受け止める」とするものの「業務との因果関係について断定的なことは申し上げられない。時間外労働、謝罪の有無にもコメントできない」と企業責任については言及を避けた。


全くもって残念なことである…が、公共投資の抑制でいくらかマシになったとは言え、土木・建設業界は慢性的に人手不足で、向上的残業が続いている(私が「普通の時間帯」にブログを書いたりすることが出来るのは、精神系の病気で比較的ヒマな部署で仕事をしているからに過ぎない…現場の最前線は、大変だ!

 今回の高速道路会社の場合について見てみよう…第二新名道路とは、明石海峡大橋から神戸方面に向かい、阪神高速道路神戸線に接続する…当然、交通量がハンパでゃないので、舗装も傷みやすいし、補修もしなければならない…しかし工事が出来るのは夜間だけだ。しかも交通規制できる日にちは前もって警察等の関係機関と協議し、バス会社等にも連絡しているので、おいそれと変更するわけにはいかない。期間が決まっているのだ。その中で、舗装をはがして新しいアスファルト合材を敷均し、また道路照明の取り換えなんかも同時に行ったりする。

 「退社後8分後の出社」というのは、勤退をチェックするシステム上の都合で、24時間「退社」しないとエラーが出るため、止む無く「退社」したことにしたのであろう…もちろん夜間工事の後、昼間に請負人と打ち合わせ等があるため、そのまま会社に居たものと思われる。

 とにかく高速道路会社の仕事は厳しい…特にNEXCOの場合、民営化前の道路公団だった時代から厳しかった…とにかく施工管理や工程管理はやかましい…そして20~30代の若手技術者…しかもNEXCO本体の…が、現場の第一線に出てきたあーだこーだと言ってくる。国土交通省や地方公共団体とは、えらい違いである。作成しなければならない書類も多い。

 今回は「夜間工事」だが、昼間工事でも事情はほとんど変わらない…昼間は現場を見て、打ち合わせをして…その打ち合わせも「夕方」から始まったり、大変だ。書類は監督員も請負人も、夜に作成する。

 加えてNEXCOの場合、旧国鉄と同様「民営化」前に採用人数を絞っている…ちょうど「自死」した男性の年代だ…構造的に「人が足りない」のである。

 もちろん土木建設業界も、これまで手をこまねいていたわけでは無い…IT化し、様々なシステムを導入し、特に書類作成等の「内業」の生産性向上を図ってきた。会社・業界トップも音頭をとって「残業あたりまえ」の風土も、20年前と比べれば大分変った…しかしまだまだ忙しい…システム等を導入しても、かえってそれに「使われて」しまうこともある。そうすると今度は、若い人の中には「システムをいじることが仕事だ」と勘違いしてしまうのが出てくる…そうすると「現場」のお勉強が出来ない(私は実はそういう人をサポートする部署にいるのだが…)

 笹子トンエル事故に見られるよう、高度成長期に作ったインフラの老朽化に対応すべく、維持管理や補修の工事が、これからますます必要となってくる。山の中に道路やダムを作るのとは違い、工期、工程、周辺環境への配慮、既存の施設を供用したままでの工事など、難易度も高くなる。しかし、「現場」には人が居ない…これから「少子高齢化」で、ますます現場技術者や技能工の人数が少なくなってくる。それに加えて、東京オリンピックだ、リニア中央新幹線だと、やた?ら「景気のいい建設のお話」も持ち上がって来る…

 なんかもういい加減、止めたくなる…もう少しゆっくり私たちに仕事をさせていただけないだろうか?

 

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仁杉巌氏を勝手に追悼する

 国鉄が「分割、民営化」されて28年…その最後から2番目、第九代総裁であった仁杉巌氏が亡くなった…四国新聞より
元国鉄総裁の仁杉巌氏死去/分割・民営化に反対
 第9代の国鉄総裁を務めた仁杉巌(にすぎ・いわお)氏が、昨年12月25日午前8時半ごろ、肺炎のため東京都渋谷区の病院で死去した。100歳。東京都出身。葬儀は近親者のみで行った。喪主は妻とよさん。
 1938年に鉄道省入り。国鉄常務理事、西武鉄道副社長などを経て83年12月、国鉄総裁に就任した。しかし国鉄改革での分割・民営化に反対したため、中曽根康弘首相(当時)が事実上の更迭を決断。85年6月に辞任した。その後、西武鉄道に再び入り、89年1月からは社長も務めた。プロ野球西武の球団社長や、エフエムナックファイブの社長なども務めた。


 1985年当時、中曽根首相は「分割・民営化」に反対・・・いわゆる「国体護持」派の仁杉総裁を切り、杉浦喬也総裁に替えることで、国鉄分割・民営化を「成功」させたと巷ではいわれており、私も最近までそう信じていた・・・しかし事実は大きく異なるようだ。

 「インフラの呪縛(山岡淳一郎)」(ちくま新書 2014年3月第一刷)によれば、仁杉氏が総裁に就任した際、民営化はともかく、分割は仕方がないと考えていた。総裁就任後、いわゆる「改革三羽ガラス」といわれる井出政敬(のちJR西社長)、松田昌士(のちJR東社長)、葛西敬之(のちJR東海社長)と接触し、「分割止む無し」との考えを強くする。しかし経営陣の腰はうごかず、1年経ってようやく「経営改革のための基本方策」を出す…それにはすぐには分割せず、5年間は経営改革に取り組み、状況により91年から経営形態を見なすという「二段構え」のものであった(p164)…しかし、国鉄再建監理委員会と、旧国鉄経営陣の板挟みになった仁杉氏は、85年6月21日、通常国会の終了に合わせて中曽根首相に会い、辞意を伝えたという・・・決して「国体護持」のために「更迭」されたわけではなかったのだ。

 私が仁杉氏を勝手に追悼するのは、「国鉄改革」がらみではない…この人が日本の「プレストレストコンクリート」の発展に多いに寄与した方であるからだ。
 プレストレストコンクリートとは何か?圧縮に強く、引っ張りに弱いコンクリート部材は、普通は鉄筋を引っ張り側に入れて、曲げに対抗する。しかし単なる鉄筋コンクリートで梁部材を作っても、飛ばせるスパンは限度がある。そこで高張力鋼に引っ張り力を導入し(これを「緊張する」と言う)鋼がもとに戻ろうとする力をコンクリートに伝えることで、コンクリートに引っ張りへの耐力を持たせる・・・これが「プレストレストコンクリート」・・・略してPCと呼ぶ。日本におけるその技術の黎明期に、仁杉氏は活躍したのだ。

 最初、仁杉氏は枕木をプレストレストコンクリートにするという試みから始めた…そして海外の知見を導入し、国鉄に最初のPC桁橋を完成させた・・・これが旧国鉄信楽線、現信楽高原鐡道株式会社 第一大戸川橋梁である。登録有形文化財 にも指定されているぞsign03

 その他、仁杉氏は経歴にもあるよう、旧国鉄や西武鉄道の他、極東鋼弦コンクリート振興(FKK)の取締役最高顧問でもあった。根はコンクリート技術者である。なお、先の大戦時には「満州国」に赴任し、1941年6月から1年間、ソ連との戦争に備えて松花江に、戦車が渡れるコンクリート舟橋を建造していたそうな。

 90年台の半ば、私がコンクリートのお仕事を始めだしてから、関連雑誌で時々杉浦氏の書いたコラムみたいな記事を読んで、「おお、この人はコンクリート技術者だったのかsign01」と驚いたものである…それにしても、百歳までほぼ現役だったわけだ。

 私ごときの小さな技術者が何を思おうが、勝手であろう…追悼させていただく。

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学校では教えてくれない舗装の現場

 この夏は、なぜか舗装工事の現場に行くことが多い…もちろんアスファルト舗装である。くそ暑い中、プラントに行くと、ドシャーっと150~170℃に熱せられた「アスファルト合材」が落ちてくる。アスファルト量を、5.0%、5.3%、5.6%と変えて、どれが性情がよいか確認する・・・って、わかるかよ、そんなモンsign02 どれも一緒に見えるぞ…

 実は、皆さんの家の前の道路はアスファルト合材で舗装されている…くらいに身近なものなのであるが、「舗装工学」を専門に学べる学校は、ほとんど無い。いわゆる「土木工学専門課程」で、「アスファルト舗装」なんぞを専門に取り扱っているところなど、多分無い。多くの学生は、「材料学」とかで「アスファルト舗装」の概要をちょっと学ぶくらいである。

 だから世の中には、舗装の専門業者がゴロゴロある…大手ゼネコンは「舗装部門」だけ独立させている・・・たとえば鹿島建設は鹿島道路、大林建設は大林道路、前田建設は前田道路…という具合、熊谷組は「ガイアートクマガイ」なんて呼んでいる。その他、日本道路、NIPPOといった舗装専門の大手もいれば、下請けが主な業者さんもある。大手と下請けで実力をつけた中堅がJVを組んで工事を行うこともある。

 そうゆう会社や、そんな会社が資本を出して経営するアスファルト合材プラントに入社しないと、舗装の設計や配合、施工なんかは、まったく分からないのだ。

 なるほど、はたから見れば、黒い合材を敷きならして、ローラで押さえつければ出来上がり・・・のように見えるかもしれない。だが、それは設計、配合、試験練り等を終えた最終段階である。

 まず、設計…例えば道路の高さは道路設計で決まっており、舗装を行う1mぐらいを残して仕上がっている。ここを全部アスファルトを大量に含んだ合材で埋めてしまうのは不経済であるから、何層かに分けて下のほうから安い材料…粒度調整砕石や、それらをアスファルトやセメントで少し固めたもの(安定処理といいます)、砕石の類は、粒径が小さく、そろってくるほどお値段は高くなるので、なるべく粒度形の大きなものから使う…舗装のすぐ下を路床というのだが、そのCBR試験値を使って、等値換算係数(TA)を求め・・・云々かぬん、詳しくはアスファルト舗装要綱 (ほんとはもっと厚い本なのであるが)を見てくれ。これはアメリカから伝わった舗装設計の方法である。

 でもって、路盤・基層・表層の厚さが、経済性も含めて決められる。今度はそれぞれの層ごとに、砕石や砂、石粉やダストをどのくらい入れ、アスファルトを何%にするかを決める。
各プラントの試験室で、配合した供試体を作り、「マーシャル安定度試験」なるものを行う…これは円柱形の供試体を横にして荷重をかけ、ひずみとつぶれ具合を調べるものだ。他、密度や空隙率も大切な要素である。密度は実際に供試体を作った時に測るが、その体積に使っている材料が100%ぎっちりつまっていると仮定した時の密度を「理論密度」と呼び、それの例えば96%以上でないといけない・・・とか決められている。残りは空隙である。アスファルトは夏膨張し、冬は収縮する(なんでもそうだが)…夏の膨張時にある程度の空隙がないと、舗装体からアスファルトがにじみ出てしまう。

 そのほか、耐流動性の目安となる「ホイールトラッキング試験」や、骨材とアスファルトが十分くっついているかどうか調べる「カンタブロ試験」なんてのもある。

 こうゆう試験を延々と何回もトライアル&エラー(とはいえ、プラントでは大体実績で配合設計のノウハウは持っているが)を繰り返して、やっと配合が決まる…だがアスファルト合材を作るのは簡単ではない。コンクリートの場合、各材料はミキサーに投入前に計量ビンで計量されるだけだが、アスファルト合材では、冷えた骨材を「コールドビン」から計量し、一旦ごちゃまぜにしてから加熱…加熱した骨材をミキサーの上に上げてふるい分けを行い、「ホットビン」に入れる。ホットビンの計量は荷重を測るのだが、コールドビンにおける軽量は、ベルトコンベヤーにホッパからどのような速度で落とすかによって決める。どれだけの量が落ちてくるかは、あらかじめキャリブレーションをしておく…といった具合に、ややこしいのだ。もちろん「常温骨材ふるい分け」試験と「加熱骨材ふるい分け」試験というのがあり、両者はほとんど同じ粒度を保たねばならない。

 そんなことを何回も繰り返して、やっと使用する合材の「配合」が決まる…あとは本施工に移るだけだが、単純に敷均してローラをかけているわけではない。アスファルト舗装の施工は、「温度低下」との争いである・・・温度が下がったところをいくらローラで踏んでも、密度は出ない。だいたいローラにも2種類あって、最初の転圧は鉄輪(マカダムローラ)を、仕上げの転圧はタイヤローラを使う。この最初の転圧に入るときと、2回目の転圧にはいるときの温度管理が重要で、専任の温度管理者を決めておき、合材の温度を測りながらローラのオペレーターに指示を出しているのだ。

 で、夏の暑い時は、なかなか2回目の転圧に入る温度まで下がらないし、冬は冬で薄く敷きならされた合材はすぐに冷えてしまう。また、舗装なんぞやる現場には日蔭なんぞない…夏場な熱中症対策が肝心だsunみんなガブガブ水分、塩分を補給する。

 ま、なぜか今年は盆開けたら、急に涼しくなってきたけどね…まだあるんだよなぁ~舗装の現場…

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伊方原発再稼働についてのパブコメを書いてみた…

 さて原子力規制委員会が伊方原発の再稼働について求めているパブリック・コメント…これの締め切りが19日(金)までである。ということで急いで書いてみることにしたのだが…まず、原子力規制委員会のHPに行き、パブリックコメントを開くと四国電力株式会社伊方発電所3号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について という項目が出てくる…なお、「御意見提出方法」には、「必ず御意見の対象を該当箇所がわかるように、ページ番号を明記(例: 13ページ)して提出してください。」と書いてあるので、PDFファイルで読みながら書くのは不便だ。ということで日曜日の午後、2時間半を費やして総計425ページにわたる「審査書」を印刷し、読み込んだ…
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 土木関係は何とか分かるが、地質・地震や発電プラント設備の防護の基本等は全くの「ど素人」なので、読んでも「専門用語」ばかり・・・なんのこっちゃsign02 それでも「地震動の過小評価(岩手・宮城内陸地震レベルの地震を想定しないのはおかしい)」「地盤の一体化解析の問題(伊方の地盤は結晶片岩の塊なのだが、そこに層的に泥質片岩や珪質片岩が介在する)」の問題、さらには火山噴火で15㎝も灰が積もる「想定」・・・阿蘇山系の火山噴火が想定されている…下で、さらなるインシデントが起こった時の対応の不可能性、外部電源喪失対策がまだ「設計中」であること(二系統の送電線がどう走っているのか、図面が欲しいところである・・・その送電線鉄塔が「大規模地滑り」で倒壊しないよう「設計することを確認した」と書いてあるだけ・・・誰が確認するのか・・・「非常用電源(ディーゼルエンジン)」を7日間ぶっ通しで動かせば「大丈夫」とのことだが、それがぶっ壊れない「担保?」はあるのか?(例えば系統が2つ以上あるとか具体的なことは、一切書かれていない。)さらにはECSSへの再循環切替に失敗した時、訓練で9分、その他想定でも15分で「代替再循環ができる」としているが、そもそも地震などのインシデント時に訓練通りうまく行くのか(部屋や床がひん曲がったり、物が落下して身動きが出来ない可能性があるのに・・・)等々、書いてやった。
 論文形式で「Ⅲ-1 ○○の1.△△ において、①「・・・・」と書かれているが・・・云々と書いていたら、2000字をあっという間にオーバーした。これでは「電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォーム」が利用できない(2千文字以下sign01)、おまけにローマ数字Ⅲや①などの文字が使えないらしい。使用可能な文字一覧(pdf) なんじゃこりゃ~・・・しょうがないので明日朝、コンビニからFAXで提出することにした。

 FAXだと文字制限が無いので、最後にこう書いてやった…曰く
 原子が安定している「自然環境」の中で「原子を不安定にして」熱エネルギーから単純に電力エネルギーだけ取り出す「原子力発電」は、他の発電方法と違い、「絶対の安全性」が求められる。福島第一原子力発電所の事故はまだ収束しておらず、汚染水を止めることも出来ていない。伊方原発で福島第一原発のような事故が起こった場合、佐多岬の先に住む約5千名の人の避難がほとんど不可能であり、また汚染水を溜める敷地が少ない伊方原発では、汚染水は瀬戸内海に漏れ出し、閉鎖水域に重大な汚染をもたらす。この2点が考慮されていない「原子炉設置許可変更書」は、私が指摘したこと以上に不充分なものであると考える。ぜひ、再考していただき、許可をしないでいただきたい。
 
以上である。

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尼崎事故から10周年によせて…

 今日はJR西日本が起こした、「尼崎脱線事故」から10年たった日だ…亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、ケガや精神的苦痛で電車に乗れなくなった人たちにも、心からの気持ちを伝えたい…

 しかしあの事故の当時、様々に言われてきた「JR西日本」の安全に対する態度への批判には、私としては疑問が残るところがあるので述べさせていただく。

 まず「急カーブ」部におけるATSの設置について…この事故まで「急カーブ」については運転手が自覚してスピードを落とすもの…としてとらえられていたため、ATSの設置が成されてこなかった…鉄道事故史上でも、ほとんど無かったのではないだろうか?
 「事故」を起こさないと、本島の「弱点」は見えてこないことは、多くの労働現場でよくあることであろう。かつての「国鉄7」は、三河島事故をはじめとする多くの犠牲者を出した事故をふまえて、「ATS」の導入・整備を続けていった…「新幹線」にいたっては、そのような「事故」をふまえた上で、全く新しいシステム(ATC、CTC、その他全線高架で踏切なし)などを造り上げていった。その上で、「安全な鉄道」システムが完成している。

 ただ、理屈上では分かっていても、実際におこらないと、「対策」を取ることは難しい…

 これは「原発過酷災害」についても言えよう…私の記憶の中には、スリーマイル、チェルノブイリ、そして福島第一原発事故しか「過酷事故」というのは起こっていない。
 それに対して、鉄道事故や、自動車の事故…あるいは航空機の墜落は、過去何回も起こっている…「本当に安全な原発」をつくるためには、まだまだ事故の「蓄積」が、原子力発電については少なすぎると思う。
 で、「本当に安全な原発」を作るためには、原発はまだまだ「過酷事故」を起こさない限り、出来ないのではないか?と、誰もが思うだろう…そう、その通りだ…「本当に安全な原発」を作るためには、チェルノブイリや福島第一原発クラスの、あるいはもっとそれ以上の「大事故」を繰り返さない限り、「本当に安全な原発」なぞ、出来はしない…しかし人類はそんな「過酷事故」が何度も起こることには耐えられない…これはチェルノブイリや福島第一原発事故の「現状」を見ても、明らかであろう…
 「鉄道事故」では、その事故が起こった周辺のコミュニティーや文化が「破壊される」ことは無い・・・7ひたすらその事故原因に対し真摯に向き合い、二度と同じような事故が起きないようにすれば良い。

 もう一つ、「あの事故は車両をステンレス化して軽量化したために、被害が大きくなった」という点である。
 ランニングコストを考えれば、車両は軽いほうが良い…これはIR西日本の「営業戦略」だけでなく、「地球の資源をどう有効利用するか?」という問題につながる…重たい車両を「大量のエネルギー」を使ってちんたらちんたら動かすことで、どれだけのメリットがあるのか?(おそらく「社会主義」体制になったとしても、電車の軽量化は行われていたであろう)
 「車両が頑丈」だったら、「死者・負傷者」の数が減ったというのも間違い…ぶつかった時の速度が変わらないとしたら、そこに働くエネルギーは車両の重量に比例する…衝突時のエネルギーを「吸収」する装置(エアバック等)が無い限り、衝突した電車は壊れなかったとしても、中に居る乗客は「固い鉄の箱」の中で引っ掻き回されて、大人数の死者・負傷者が出たことは容易に造像できる。

 この事故でのJR西日本の責任は、運転手のスピード出しすぎを「誘発」した「日勤l教育」等の労務管理にあるだろう…分かっている人は知っていると思うが、87年の「分割・未陰影化」に賛成の立場をとった、カクマル、JR総連は、のちに箱根以西で「分裂」して、いわゆる「連合系御用組合」の「JR西日本労組」と、少数派のJR総連「JR西労」に分裂した…御用済みとなった「JR西労」を抑圧するために「日勤教育」が生まれたのだ…もう10年前のことで覚えている人も少なくなっているかも知れないが、「日勤教育」というのは、ひたすら「事故」や「遅延」を起こした労働者を「隔離」してイジメる…現在の「ブラック企業」の始まりのようなことをやっていたわけである。

 「尼崎事故」に関するJR経営陣の刑事責任を問う裁判は、ことごとく「敗訴」している…これは当時「カーブでスピードを落とす」ATS設置の「必要性」を、経営陣が認識していたか?ということが論点になっていたと思うのだが、「日勤教育」という「労働者いじめ」は、やはり会社が「証拠を残さない」方針で臨んでいたため(まぁ、これが「ブラック企業」の最たるものであるが)、確実に会社の責任を証明することが出来なかったのだと思う。

 ともあれ、「安全よりも、当座の収益」という論理は、「原発再稼働」についても言えることである。JR尼崎事故では「勝利」していないが、原発については福井地裁判決・稼働停止仮処分を武器に、再稼働阻止をなんとしてでも勝ち取ろうではないか。

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