技術屋さんのお話

わけの分かんない土を盛土に使うな!

 こんなニュースが流れてきた…原発事故後の「除染」で出てきた汚染土を、高速道路の盛土に使うというもの…NHK福島NEWS WEB より
除染度再生利用を高速道で計画
 南相馬市小高区で行われる常磐自動車道の拡幅工事で、環境省が除染で出た土を再生利用する実証事業を計画していることがわかりました。住民からは反発も出ていますが、環境省は今月中の住民説明会の開催を検討しています。
 関係者によりますと、再生利用される除染で出た土は、1キログラムあたり平均770ベクレルほどの土壌の一部で、再生利用の基準の8000ベクレルを下回るとされています。
 環境省はこれを南相馬市小高区で行われる常磐自動車道の拡幅工事のうち、一部の工区で使う計画だということです。
 除染で出た土の再生利用の実証事業は、これまで南相馬市の除染廃棄物の仮置き場で行われましたが、実際の工事が対象になったことはありません。
環境省は先月、計画の内容を市議会や行政区長などに説明したということで、今月中の住民説明会の開催を検討しています。
 しかし住民の一部からは再生利用することだけでなく、説明会を開くことにも反発の声が上がっていて、実施の日程は決まっていません。
 除染で出た廃棄物は、双葉町と大熊町に整備が進む中間貯蔵施設に保管されたあと、2045年までに福島県外に搬出され、最終処分されることになっています。
 環境省は最終処分する量を減らすため、公共工事などでの再生利用の拡大を目指しています。

 低レベルでかつ周辺から覆われるような形であっても、公共工事の盛土内に入れるなど放射性物質を拡散させ、ウヤムヤにしてしまってはイケナイ。汚染された「除染土」は、できれば一定の箇所に集約し、周囲のだれがみても「汚染土がある」と分かるような形にしたうえで、コンクリート等で覆いかぶせるしかないのだ。(だから「中間貯蔵施設」を頑丈に作り、ここで「全量」を完璧に管理するしかないのである。)

 さて、東京新聞の「こちら原発取材班」の中に、汚染土の公共工事再利用 引き受け手見えずという2016年7月段階の記事がある。環境省は以前から8000ベクレル以下の汚染土を公共事業の盛土等に再利用する構想をたて、南相馬市で実証実験をやっているという。
 この一角に遮水シートを広げ、土で流出防止用の堰(せき)を造り、その中に汚染土を入れ、土をかぶせる。その上に、アスファルトやコンクリートを施工し、道路や防潮堤を模したものを造るという。
 リンク先には、再利用のイメージとして、盛土の真ん中にブロック状に「汚染土」が埋まっている絵も描かれている。
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 盛土内に、汚染土を入れるイメージは、こうなるが…今回のニュースで流れたのは常磐自動車道の拡幅工事ということだ。高速道路の拡幅工事では、ケースにもよるが「腹付け盛土」といって、既存の盛土の隣に土を持ってくる…従って、このような図になる。
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 黄緑色が、既存の高速道路、黄色が「腹付け盛土」、茶色が「汚染土」である。腹付け盛土はそれほど大量の土を使用しないので、処分できる「汚染土」量も少なくなる。また、通常の土の遮蔽も、一般的な盛土とくらべ取れない。
 また、単なる「建設残土」…すなわち別の公共工事で発生した「捨土」を再利用するのであれば、新しい盛土構造物と残土はほぼ一体化させることが出来る。しかし除染ででてきた「汚染土」はほとんどが表土に近いものだ。表土は木や草の根など有機物を含んだりしているので、構造物を構築する盛土には使わないことになっているのである。やむを得ない場合は盛土の中のほうに薄く引き伸ばして使うことになっており、大量に盛土に使ってはイケナイのだ。
 土だからかさ増しに使えるだろう…というのは、環境省の役人が土木技術を知らないだけなのだpout
 この福島に大量にある「汚染土」に関しては「政府がやがて辺野古の埋め立てに使うのでは?」という話も、チラホラと聞こえてくる。ただし、いくら「ただ同然で大量にある(運搬費しかかからない)」ものでも、表土である以上、盛土構造物に入れることはないし、やってはイケナイのだ。
 よって、除染で出てきた「汚染土」を公共事業で大量に「再利用」するのは、放射性物質の拡散という観点のみならず、公共事業の品質確保の面からも、そして結局は大量に「処分」することなぞ出来ないことからも、反対する。環境省の役人どもよ、つまらないことを考えるなsign03

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土砂崩れで高速道路の橋がふっ飛んだ話

 この度西日本を襲った豪雨災害…雨は止んだとはいえ、あちこちで甚大な被害が出ており、道路が通行止めで孤立している、水道等が復旧しておらず、避難を続けている人がまだたくさん居られます。犠牲者も沢山出ました…被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
 この災害に置いて、安部が災害対策本部も立ち上げず、飲み会を開いていた とか、オスプレイを17機買う金で、レッドサラマンダーを各県に何台も配備出来るとか、いろいろあるんだけれど…そうゆうのは他のブログさんに任せよう。

 私が気になったのは、次のニュースと写真…毎日新聞の8日夜の配信記事
 高速、47カ所でのり面や橋の崩落など被害を確認
 西日本を中心とした豪雨で、西日本高速道路の管内では8日午後5時現在で近畿、中四国、九州の47カ所でのり面や橋の崩落などの被害が確認された。うち7カ所は復旧までに相当な時間がかかるという。JR西日本と四国の管内では、橋脚の流出などで不通区間が発生している。(中略)
 高知自動車道大豊インターチェンジ(IC)-新宮IC間の上り線にある立川トンネル南側付近(高知県大豊町)では道路脇の斜面が崩れ、路面が長さ約63.5メートル(約1200トン)にわたって崩落した。高知県によると、下を走る県道と林道が封鎖されたため4集落の49世帯72人の孤立状態が続いているという。高速道と県道は6日夜から通行止めで、けが人はいなかった。(以下略)

 リンク先に写真が載っているが、土砂崩れによってトンネル手前の橋梁が完全に吹っ飛んでいますsign03うわぁ~怖ぇ~coldsweats02
 なぜこの記事が「気になった」かというと、道路の防災上、「土砂崩れ」対策として橋梁を選択するケースがあるというのが、教科書的なお話だからである。以下、説明しよう。
 なお、ここから一般的に「土砂崩れ」という言葉は、土木や他の学術的な用語である「土石流」と呼ぶことにする。
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 上図のように、斜面の裾野に道路を通す計画があるとする。青の点線は渓流である。この渓流に沿って、大雨が降った場合、土石流が発生する可能性がある。
 道路を盛土構造で作った場合、渓流の水はカルバートボックス(函渠)を作って下流に流すことになる。しかしカルバートボックスでは発生した土石流が流れ切らず、道路に乗り上げて来る恐れがある。
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 こうなっちゃうわけですね。土石流が道路の上に乗りあげると、その土砂を除けない限り、通行止めを解除できないリスクが存在するわけ。
 そこで、土工の代わりに橋梁構造にすると…

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 下のクリアランスが大きいので、土砂が下を流れることになる。道路上には溢れて来ないので、通行止めのリスクが小さくなるわけ。

 これが土石流(土砂崩れ)対策で道路構造を橋梁にする話の基本である。

 もっとも今回の高知自動車道のケースは、急斜面の途中にトンネルをぶち抜いた形になっているから、土石流があろうがなかろうが橋梁形式になっていた箇所である。トンネルの坑口上部からの土石流は、巨大な防護壁をつくらない限り、防ぎようがない。今回は斜め横から土石流が橋を直撃し、そのまま橋が持って行かれた…多分、こうゆうことは想定していないだろう…ひとたまりもなくやられている。

 急斜面の横に道路や鉄道を通す場合、土工では土の切り盛りが膨大になるので、建設費がかかってもトンネルや橋梁にするケースも多い。トンネルはともかく、橋梁設計で横から土石流が襲ってくることはほとんど想定しないから(河川中の橋梁の場合、洪水時に例えば木が流れてきて引っかかる荷重を想定するケースはある)、今後の道路・橋梁設計や道路防災における見直し事項になるであろう。

 ではではvirgo

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なぜ「コンクリートの寿命は60年」なのか?

 先日、コンクリートの建物はそれなりに持つの中で、”「鉄筋コンクリート製の建物の寿命は、60年」ということになっている”と書いた。実はこの60年という数字、税法で決まっている法定耐用年数のこと。現在、鉄筋コンクリート製の建物の法定耐用年数は47年であるが、1998年に法律が改正されるまでは、60年であった。
 では、この60年という数字が、どこから出てきたのか?というと…

 コンクリートの「中性化」速度である。

 コンクリートはアルカリ性に保たれており、そのおかげで内部の鉄筋が錆びない。アルカリ性によって鉄筋表面に「不導体被膜」という、厚さ20~60オングルストームの薄い酸化膜ができる。これが鉄筋を保護している。
 ところが空気中の二酸化炭素により、コンクリートは表面からアルカリ性が「中和」されてゆく。具体的にはコンクリートの細孔に含まれる水溶液がアルカリ性を示しているのだが、空気中の二酸化炭素が溶け込むことにより、細孔溶液がアルカリ性から中性になる。これをコンクリートの中性化とよんでいる。

 コンクリートが中性化すると、鉄筋表面にある不導体被膜は破壊される。そこに水や酸素などの鉄筋劣化因子が侵入してくると、鉄筋が錆びてくる。鉄筋が錆びると体積が増え、膨張するので、その影響により鉄筋の外側のコンクリートが剥がれ落ちたりする。また鉄筋が完全に錆びてしまうと、鉄筋そのものが無くなってしまうわけだから、鉄筋コンクリート構造物としての機能を失うことになる。

 中性化はコンクリート表面から進んでゆく…年月が経つほど深い部分まで二酸化炭素が入り込むことになる…でもって、おおむね60年ぐらいたつと、中性化が標準的な鉄筋コンクリートにおいて、鉄筋が埋まっている深さ3㎝ぐらいのところまで進む…だからそこを「コンクリートの寿命」としたのである。

 もちろんコンクリートが中性化したからといって、直ちに鉄筋が錆び、コンクリートが剥がれ落ちたり、崩壊するということはない。中性化が鉄筋の位置に達したとしても、酸素や水分が供給されないと、鉄筋は錆びない。また全てのコンクリート構造物が、一律に60年経つと3㎝の深さまで中性化するわけでもない。作られたコンクリートの「品質」によりけりで、具体的には固くて緻密なコンクリートが出来ていれば、二酸化炭素や水などの劣化因子が侵入しにくくなるので、中性化速度も遅く、鉄筋が錆びるのも遅くなる。

 また先の記事でも触れたが、コンクリート表面に塗装を行い、二酸化炭素の進入を防ぐことで、中性化を遅らせることが出来る。塗装も、普通の塗料のようにコンクリート表面に塗膜を形成するものから、コンクリートの内部に浸透し、化学反応をおこしてコンクリート表面を緻密にするようなモノもある。後者のようなコンクリート保護材料は、含浸材ということもある。

 一旦中性化したコンクリートは、自然状態では元に戻ることはない。ただし、電気化学的な力を加えて、コンクリートにアルカリ性を再度付与することが可能である。コンクリート表面に、炭酸ナトリウム等の電解質溶液と陽極材を配置し、内部の鉄筋に電線をつないでマイナス側につないで5~50Vの電圧をかけ、1A/㎡の電流を1~2週間程度流すのだ。こうすると鉄筋から表面にかけてのコンクリートが再度アルカリ性になる。ただし工事にはそれなりの設備が必要になる。大坂城の天守閣は、1996年の改修工事でこの「再アルカリ化工法」が行われている。

とまぁ、こんな具合であるvirgo

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コンクリートの建物はそれなりに持つ

 

コンクリート工学 Vol.56 №4(2018年4月)のトピックスに、「梅小路機関車庫耐震補強」ってのがあった。梅小路機関車庫は、かつて「梅小路機関区」として蒸気機関車の動態保存・展示をしていおり、現在は京都鉄道博物館 の館内施設として使われている。機関車庫の建物は鉄筋コンクリート製で、1914年に建てられたということだから、今年で104年経つというわけだ。
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 写真は、2016年の夏に行って来た時のもの(^^)/

  一般的に「鉄筋コンクリート製の建物の寿命は、60年」ということになっているが、実際、きちんとつくられた鉄筋コンクリート構造物は、100年ぐらい平気で持つのである。
 ただ、コンクリート工学の記事タイトルにもあるよう、阪神・淡路大震災クラス、あるいは東日本大震災クラスの地震には耐えられない(建物が存続していたのは、用途が続いてきたとういう他、強い地震が来なかったからという理由もある)ので、鉄道博物館が開館する前に、耐震補強工事等を行ったということである。

 耐震補強を行うにあたっては、本建物が2004年12月に重要文化財建造物に指定されていること、建設当時の躯体そのものに価値があること、また将来において技術が進歩した時に適切な手段に置換し、補強前の状態に戻すこと等を考慮して、「当初部材」と「補強部材」が区別できるようにする、補強箇所は最小限にするという条件がついた。

 でもって、主に行われたのが内部に外付けのブレースを設置すること…
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 奥の機関車をおいてある所の手前に、灰色の鋼材が斜めに設置されたりしているでしょ…それがブレース。

 こうゆうのをあちこち設置したり、あるいは外側にも斜めの鋼材を配置したりして、補強をしているのである。

 その他、コンクリートの表面に「表面被覆工法」…早い話が、塗装して表面を保護することで、劣化因子(この場合は、二酸化炭素)がコンクリートに侵入することを防ぐ工事が行われている。
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 蒸気機関車の黒色と比べずとも、建物の表面が白くキレイなのは、このコンクリート塗装のおかげなのである。

 一応、この建物は1952~55年にかけて改修がなされ、今回も補強・補修がなされてはいるものの、鉄筋コンクリート構造は100年経っても健全に使用されているのである。

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避難する時、とっとと逃げろ!

 

守田敏也さん講演会 でのお話し…

 原子力災害に限らず、避難しなければならない時は、とっとと避難しなければならない…なぜか?

 避難を呼びかける人たちもまた、逃げなければならないからだ。

 災害の現場にとどまったり、あるいは入り込んだりして避難を呼びかけなければならない人たち、自治体職員や、地元の自治会、消防団の方々…
 誰かが避難せずとどまっていると、彼らは逃げることが出来ないのである。

 高齢者にありがちなのだが、自分はここに残りたい…いや、あんたは良くても、他の人が困る…私ら、あなたが避難しないと、避難できないのsign02

 ということで、避難しなければならない時は、とっとと避難しよう…それが人の命を救うことにつながる。

 ちなみに、福島第一原発事故においても、最後まで残った自治体職員や消防団の人が、いちばん被曝することになったということだ。

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原子力災害を考える…守田敏也さん講演

 17日日曜、枚方市民会館で行われた「原子力災害を考える~原発事故から”少しでも”身を守るために~」講演会に参加してきた。おなはしは、フリーライターの守田敏也さん。(ブログ「明日に向けて」を運営)
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 主催は「脱原発政策実現全国ネットワーク 関西ブロック」である。連絡先が「ストップ・ザ・もんじゅ」で、この団体は枚方に拠点があるようだ。
 守田さんはフリーライターの傍ら、兵庫県篠山市原子力災害対策委員会の委員を務めている。また京都「被爆2世3世の会」世話人でもある。
 本集会は資料代1000円、13:30開始…最初に主催者あいさつなんかがあってから、守田さんの講演である。まず放射能汚染をふり返るということで、放射線被曝、特に内部被曝と健康被害についてざっとお話があった…ここのところは福島第一原発の過酷事故後6年半が過ぎた現在でも重要な話あのであるが、今回は割愛しておく。
 肝心の「原子力災害」について語る前に、通常の「災害」「防災」についての話をされた…避難が必要になっても、人がなかなか避難しないことが良くある。災害心理学では災害時に避難を遅らせるものとして
①正常性バイアス→避難すべき事実を認めず事態は正常と考える
②同調性バイアス→とっさのときに周りの行動に自分を合わせる
③パニック過大評価バイアス→パニックを恐れて危険を伝えない
の3つの要因が挙げられている。これらのバイアスを解除するのに最も効果的なのが、避難訓練である。また、ハザードマップは信じてはイケナイ(ハザードマップの危険地域外が逃げ遅れる)、避難時は「いかなる状況においても最善を尽くせ」「率先避難者たれ」…自分が逃げ出すことは他の人の避難の促進につながる…その他、東日本大震災の津波被害や、広島土砂災害等の教訓もまじえてお話しが進む。
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 そこで原子力災害である。大事故時の防災は基本的に成り立たないため、唯一の防災は原子力を止めることであるが、原発がある限り、完璧は不可能と知りつつ対策を立てるしかない。可能な限り被害を少なくする減災の視点で、原子力災害に望むべきである…とのこと。で、出来る限り被曝を少なくすることが大切だから、事故時に大事なのは「とっとと逃げること」になる。
 放射能は目に見えず、においもしないので正常性バイアスがすぐにかかってしまう。だkら原発災害に対しても「避難訓練」や「事前学習」が一番有効なのであるが、そのための方策として「安定ヨウ素剤の事前配布」がある。
 安定ヨウ素剤は、甲状腺にたまりやすい放射性ヨウ素の蓄積をふせぐため、あらかじめ甲状腺をヨウ素で「満たしておく」ために飲むものである。そして、これを飲む(飲まなければいけない)時が、避難を開始する時なのだ(批難してから飲むものではない)…だから各戸に事前配布しておく、また配布時に薬の効用と副作用をしっかり把握していないと、イザと言う時薬なんぞ飲めないし、配る側もこれらをしっかり把握していないと服用の指示ができない…だから行政がしっかり説明しながら事前配布することで、原子力災害についてあらかじめ「事前学習」し、準備することが出来るのである。また、ヨウ素剤は1個7円程度なので、予算もあまりかからない(逆にモニタリングポストなんぞを整備しようとすると、1千万円とかかかるのである)
 行政をまきこんで「原子力災害に備える」ことは、反原発・脱原発を語るよりもたやすいこともメリットである。防災・減災というネタであれば、行政も取り組まざるを得ない。篠山市で「原子力災害対策委員会」が立ち上がったのは、首長(保守)が原子力災害について熱心に考えてくれたからでもある。会議に参加することで始めは消極的だった消防団の団長さんも、「先頭で取り組まんとあかんことや」と前向きになってくれたそうだ。

 篠山市での取り組みについて説明が終わった後、没落する原子力産業の現状や、世界の動きについてのお話しがあった。…核産業の未来はどんどん狭まり、輸出政策が頓挫しているから、日本政府は原発再稼働を焦っており、災害対策なしで再稼働を強行している。だから災害対策を下から広め、原発を問う世論を広げることが有効であるとのことであった。講演終了後15分休憩してから、質疑応答や主催者による今後の取り組み提案などがあり、終了したのは16時過ぎであった。

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辺野古の海に活断層

 辺野古の海に活断層があって、基地建設に支障をきたすのではないかというお話し…ルう旧新報WEBより。
辺野古新基地工事海域に活断層か 識者が危険性指摘
 名護市辺野古の新基地工事海域に「活断層」が存在する可能性があることが24日までに分かった。防衛庁(当時)が2000年に作成した「代替施設建設協議会」資料中の「海底断面図」で50メートル近く沈下した落ち込みがある場所が記されている。琉球大学名誉教授の加藤祐三氏(岩石学)は「落ち込みが比較的新しい時期にできていれば、海底に活断層が伸びている可能性がある」と指摘した。新基地予定地近くの陸上部には「辺野古断層」「楚久断層」という2本の断層が存在する。その断層の延長線が海底の急に深くなる谷や斜面部分につながっている。さらにその先に防衛庁が示した落ち込み部分が重なっている。活断層は過去に地震を起こした形跡があり、将来も地震を起こす可能性がある断層で、基地建設の場所に適するか疑われる。25日で辺野古での護岸工事着手から半年を迎えた。(中略)
 防衛局は2~4月、大型特殊船「ポセイドン」で工事海域での地質調査を実施したが、いまだ結果を公表していない。
 加藤氏は「活断層の可能性を否定するなら、国は早急に調査資料を公表し説明すべきだ」と話した。また、工事海域には、空洞が多く軟弱性が指摘される「琉球石灰岩」も分布している。加藤氏は「いかにしっかりした基礎工事をしても直下で活断層が動き地盤がずれれば、上にある施設は破壊される」と危険性を指摘した。
(仲井間郁江)


 実はこの話、22日に大阪で行われた奥間さんの講演でも話題になっていた。で、奥間さんはこの間、内地を行脚して講演されているので、話を聞いた人にとってはぴったりな記事である。

 では、基地建設現場に活断層はあるのか?

 ポセイドンの調査は、おそらく音波探査なのだろう…その地質調査で地層のずれ、断絶を確認することは可能であるが、それが活断層、十数万年前に活動し、近い将来動く可能性があるかどうか判断することはなかなか難しいのである。
 活断層であるかどうか?ということは、記事にあるような地球科学系の学者なんかが、過去の文献等の調査結果もふまえ、総合的に判断しているのが現状だ。
 ただ、陸上に活断層がある場合、それが海まで続いているだろうというのは、ある意味当然の判断である。海中の場合、地形が分からないこともあって、推定されている大概の活断層は陸上にある…というより、海岸で切れていることになっている…が、海底の地形から判断して、陸上の活断層が海中に続いていると判断するのは自然なことである。

 では、活断層があれば基地建設は出来ないのか?

 実は日本において、活断層のそばに「重要構造物」を作ってはイケナイという規定や法律はない…ただ阪神淡路大震災以降、活断層に対する意識や知見が上がった結果「なるべくは避けましょうね」という判断は働く。
 だが、「絶対に壊れてはイケナイ」原発と違い、土木構造物においてどこまで活断層を避けるかどうかは、その構造物の重要性(代替手段があるかどうか)や、対策の経済性に左右される…極端な話、活断層が動いてぶっ壊れても、また修理できれば、そして対策をするより、そちらの方が経済的であると判断されるならば、活断層近傍に構造物を構築することも有りである。

 おそれく防衛局は最終的にこのような「判断」をすべく、今調査結果を眺めて頭を抱えているというのが本音だろう。

 ただ奥間さんによれば、米軍基準では、米軍基地は活断層はNGなんだそうな。だからこのネタは、対米交渉等に使えそうだということらしい。

 とりあえず活断層ネタは、あまり重要なアイテムにはならず、参考資料として考えたほうが良い。

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生コン車は混合はしない…

 街を走る「生コン車」をご存じかと思う…コンクリートを運搬する「ドラム」がぐるぐる回っているヤツ…一般的には「コンクリートミキサー車」あるいは単に「ミキサー車」と呼ばれている。Wikiでは「トラックミキサー車」という名称で掲載されている。

 しかしながら…実際の生コン車は、混合すなわち「mixing」の機能はない…あれはコンクリートが固まらないよう、「攪拌」しているだけなのだ。よって「ミキサー車」と呼ぶことは「間違い」であるsign02

 業界では生コン車のことを「アジテーター」もしくは「アジ車」なんて言い方をする…「agitate」すなわち「ゆり動かす」「かき混ぜる」「攪拌する」「扇動する」「人心をかき乱す」なんて意味だ。そうそう「アジテーター」は「扇動者」と同じ英語であるhappy01

なんでこんなことを書いたか…

コンクリートとは、水、セメント、砂(細骨材)、砂利(粗骨材)を十分に「混合する」ことで得られる…コンクリートにとって混合は生命線なのである。比重の違う水と固体を十分混合するためには、それなりの装置が必要なのである。
混合するための装置が、コンクリートにとってミキサーなのである。

ところが、生コン車のドラムでは、混合することは出来ない…水、セメント、砂、砂利を直接、ドラムに入れて回転させても、コンクリートは出来ないのである。
だから、あれを「ミキサー」と呼ぶのは、技術屋さん的にいうと間違いなのである。

ちなみに、世の中には本当に車載式の「コンクリートミキサー」があるようだ。日本ではほとんど使われていないが、水、セメント、砂、砂利を計量して投入し、走っている間に混合してコンクリートを製造する「コンクリートミキサー車」というのが外国では使われていることがある。
また、「アジテーター」で混合することを全くしないわけではない。流動化剤と言って、コンクリートを後で軟らかくするための薬剤を添加する時や、繊維補強コンクリートなどは、「アジテーター」に直接薬剤や鋼・プラスチックの短繊維を投入し、高速攪拌することで「混合」するが、例外的なことである。

ではでは…virgo

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辺野古の海底 地盤脆弱だって

 なぜかしんぶん赤旗から…
辺野古の海底 地盤脆弱/新基地 本紙入手 米軍資料で判明
 政府は沖縄県名護市の辺野古崎、大浦湾での新基地建設に伴う護岸工事を強行しました。しかし、この地域の海底は脆弱(ぜいじゃく)な地盤で巨大建設物をつくる危険性が指摘されています。本紙はそれを裏付ける、同海域の急峻(きゅうしゅん)な地形や水深と、空洞の存在が懸念される琉球石灰岩によるサンゴ礁などの地質を示す米軍作成の「軍用地形図」を入手しました。 (山本眞直)
 軍用地形図は、米軍占領後の1949年に、軍事基地の本格的な建設に向けて作成した「基本地図」の一つとされています。琉球大学の目崎茂和元教授(理学博士)がその一部を所蔵していました。
 軍用地形図には、辺野古崎の南側、リーフと呼ばれる遠浅な沿岸部、北側の大浦湾の地形に沿って広がるサンゴ礁群と水深が詳細に示されています。
 また、埋め立て予定海域の地質の大半が、サンゴ礁や砂地です。
 大浦湾にせり出す新基地の滑走路先端部に当たる護岸部分は、水深が数メートルから二十数メートルの絶壁、その先には50メートル級の深海が広がっています。こういう場所に新基地の土台となる、最大で1基7400トンもの鉄筋コンクリートでできた巨大な箱のケーソンを千数百メートルにわたって設置しようとしているのです。
 あまりに危険
 沖縄県内の琉球石灰岩による軟弱地盤の難工事を経験している土木技術者、奥間政則さん(51)の話
 埋め立て海域は、サンゴ礁とその地下に琉球石灰岩の堆積という軟弱地盤であることが容易に想像できる。ここに巨大なケーソンを設置するにはあまりに危険で無謀だ。基礎構造の変更などの大規模な設計変更は避けられない。そうであれば翁長雄志県知事が表明している埋め立て承認の「撤回」の当然の理由となる。政府は新基地建設を断念すべきだ。


 辺野古の海域では、工事着手と称しているが、なぜかボーリング調査「も」行われていた。大型船「ポセイドン」がやっていたのは、どうも地質調査だったようだ。で、ちんたらちんたらボーリング調査が続けられている「理由」として、もれ聞こえてくるハナシが、実は地盤が悪かったのでは?ということであった。
 辺野古新基地建設に関わる埋立て工事において、重要なのは大浦湾の深さ30m近くある海底に、大型ケーソンを設置することだ。ケーソンは普通、堅固な岩盤の上に「直置き」する。で、あの辺は琉球石灰岩の「硬いヤツ」があるだろうから、その上に重量のあるケーソンを置いても大丈夫だろうということである。
 ところで記事に「空洞の存在が懸念される」とある…これは石灰岩地質のところで、鍾乳洞の卵みたいな空洞が存在することがあるのだ。こんなのが海底のごく浅いところにあれば、その地層はケーソンを支えることが出来ない。記事では「軟弱地盤」と書いてあるが、あまりこういったケースを「軟弱地盤」とは呼ばない。

 もしケーソンを支える地盤の下に空洞があった場合どうするか?
 空洞の位置や大きさにもよるが、一般的には、空洞を避けてケーソンの設置位置を変えるか、くい基礎を作るかだろう。空洞が小規模なものであれば、内部にコンクリートを流し込めばなんとかなるかも知れない。いづれにしても、金と手間がよけいにかかる。設計は確実に変更しないといけないだろう。

 いづれにしても、ホントは地質調査(ボーリング調査)を行ってから、より安全かつ経済的にするため、もう一度詳細設計をかけるべきだったのだ。詳細設計をかける金と手間を惜しむから、不具合が出た時にとりかえしのつかない「手戻り」が生じることになる。

 本当に海底地盤の浅いところに空洞があってケーソンが支えられない場合、設計をやり直すことになるから、その間確実に工事は止まる。また、海底にくい基礎を構築することは今回の埋立て工事では想定されていないので、工事内容の大幅な変更と、それによる「埋立て条件の見直し」すなわち承認された条件を変更する手続きが必要になる。環境アセスメントで示された条件も変わってくる…沖縄県側はいくらでも「承認撤回」「変更無承認」が出来るのだ。

 ま、そうゆうことである。

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軍学共同の研究を許すな!

 革共同再建協議会機関紙未来206号 に掲載されている論文「軍学共同へ走る安倍政権」軍事予算で大学の取り込み狙う(津田 文章)からの抜粋と、私の感想…

・日本の製造業はすでにアジア諸国に生産拠点を移し、国内産業は空洞化している。得意としていた半導体製造に関しても、価格競争力でアジア諸国に太刀打ちできなくなった。日本の新たな輸出産業は原発、武器しかなくなっているのが現状だ。
・昨年、防衛省は「安全保障技術研究促進制度」という競争的資金制度を作り、研究機関への研究委託という形で3億円の予算をつけた。指定した研究テーマにそって科学技術者を公募し、研究資金を提供する制度だ。(中略)東京新聞によれば、自民党の国防部会はこれを「100億円に増額せよ」と要請しているようだ。
・1966年、日本物理学会がおこなった半導体国際会議に米軍資金が使われていたことが問題になった。1967年10月、日本学術会議は2回目の声明を出した「近時、米国陸軍極東研究開発部局よりの半導体国際会議やその他の個別的研究者に対する研究費の援助等の諸問題を契機として、われわれはこの点に不覚思い致し、決意を新たにしなければならない情勢に直面している。…戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わないという決意を声明する。」・・・1967年の声明は、学園闘争の発端を切り開く、若き研究者のたたかいの中でつくられた。(山本義孝、小出昭一郎、水戸巌、槌田敦などのたたかいによって、1967年に日本物理学会は「今後内外を問わず、一切の軍隊からの援助、その他一切の協力関係を持たない」(決議3)を決定した。
・戦争中、科学者は特権階級として戦争の恩恵を最大限にうけていた。まず、戦場に行く必要はなかった。挙国一致体制のもとで、科学研究費は大幅に増額された。1950年に日本学術会議(学問・思想の自由保障委員会)が行ったアンケートでは「戦争中はいちばん研究の自由があった」という回答がいちばん多かったという。ここにあるのは「たとえ軍からの資金であっても、自分の好きな研究ができればよい」という思想だ。
・2004年、大学は研究法人となった。新自由主義政策が導入され、大学どうし、研究者どうしが競走にさらされている。財界に「役立つ」分野の研究者は資金をぜいたくに投入するが、それからもれた分野の研究者は資金に苦しんでいる。競争的資金の導入で研究者は自分で研究資金をつくるしかないのだ。研究者は「どんな金であっても研究資金がほしい」という状況に追いやられている。
・科学技術において、軍事利用と民生的利用とは区別できない。この<科学と技術の両義性(デュアルユース)>を軍事研究をする口実に持ち出してきている。「科学技術を発展させるためであれば、いかなる資金であってもよいのではないか」「使い方の問題だから科学者・技術者の責任ではない」という意見が研究者のなかには根強く存在している。しかし、軍からの資金でおこなわれる研究は、いかなる内容であれ軍事研究なのだ。軍事研究は内容で判断するのではなく、どこから資金がでているかを判断の基準とすべきだ。

 と、とりとめもなく引用した…特に最後の引用は重要だろう…インターネットに代表されるよう、もはや科学技術に「軍事」と「民生」の境は存在しない。だから「民生用」だと思って開発した科学技術が「軍事転用」される可能性は十分ある。ただ「軍事転用」するためには「軍」から資金を得た特別な研究者が行うのが普通だろう…だから、どこから金がでているのか?ということが大切なのだ。

 あとはオマケの話…大学時代「土木工学は英語でCivil enginiaring と呼ぶ…市民のための技術なんだ…後の工学はMIilitary enginiaringなんだ」とのたまわっていたヤツもいたが、豊臣秀吉の「水攻め」を見ても分かるように、土木工学もちゃんと戦争に応用できる。旧日本軍には鉄道連隊があったし(新京成電鉄 はその跡地をつないで旅客営業した鉄道である…よってやたら路線がぐにゃぐにゃしている)、工兵部隊がないと、歩兵部隊の侵攻ができない所もある。土木工学も軍事に応用できるのだ。学会の論文集にも、たまに「防衛大学校」から「爆発物に耐えられるコンクリート」などという研究論文が発表されている。

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